院長ブログ

腹水症

2019.07.14

お腹の中に液体が異常にたまった状態を『腹水』と言います。
今回の腹水の原因は「ガン」でした。
しかも同時に『胸水』も見られたものでした。

癌が原因で起こる腹水は、「癌」が腹膜に広がったときに起こります。
また癌が肝臓に広がると、肝臓内の血圧が上昇し血液の流れが悪くなります。
肝臓の状態が悪くなると、血液中のたんぱく質のひとつであるアルブミンがうまく作れなくなります。
アルブミンは体の中の余分な水分を血管の中に取り込んだり、血管の中の水分の量を一定に保つ働きをしています。
しかしアルブミンが少なくなると、体の中の余分な水分を血管の中に取り込めなくなり体の組織に浮腫が出たり、腹水も増えていきます。

腹水の量が少ない時は、何ら症状がありません。
しかし量が増えると腹が膨らむと、様々な臓器が圧迫されます。

内臓が圧迫されると、種々の症状が現れます。
腹水は腸を押しつぶし腸の動きを悪くするため吐き気や嘔吐・便秘を起こしたり、腸の周りに付着した癌組織により腸閉塞になることもあります。
腹水により横隔膜が押されると肺が圧迫され、息が苦しくなります。

腹水を抜くと、一時的に症状を軽くしてあげることができます。
しかし腹水は再発してしまいます。
また腹水があるからといって、急激に抜くと血圧が落ちてしまい危険な状態になることがあります。

腹水の中には、栄養状態や免疫機能に関係するものがいっぱい入ってます。
そのため腹水を幾度も抜いていると、全身の状態が悪化していきます。

胸水も腹水と同様に、最初は無症状です。
そのため健康診断やレントゲン検査で、偶然に見つかることがあります。

今回の場合は、お腹の癌が肺に転移し胸水を作っています。
このように癌で腹水が溜まる子に、癌により胸水が溜まる場合があります。
この場合、双方の治療を同時に行わなければなりません。

癌性腹水の場合は治療すれば、数ヶ月〜半年は生きられることがあります。
しかし癌性胸水は、このままの状態だと1週間ももちません。
癌性胸水は、積極的な治療方法が無いとまで言われる致死的な症状です。

胸水が大量に溜まると肺が押しつぶされて、一生懸命に息をしても肺の中には空気が入りません。
そのため呼吸困難から酸素不足となり、死に至ります。

癌は早期発見!
そのためには健康診断が大切です。

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