院長ブログ

母のいない子たち

2019.07.15

現在、院内にはお母さんのいない猫ちゃんたちがいます。
呼吸がうまく出来ない子。
事故で骨が折れ、皮膚から見えてる子。

 【痛々しい傷の奥には、靭帯や折れた骨などが見えてます!】

息がうまく出来ない子たちは、当然ながら自力では食べることも出来ません。
事故の子は、体だけでなく心も傷ついてます。
自然治癒力が限界に達すると、猫ちゃんたちは死の世界へと歩み出します。

息がうまく出来ない子たちは吸入や強制給餌などを行います。
そして、いかに息を楽にさせるか+基礎体力をつくるための水分と栄養補給を頑張って行なっています。
1日のうち2〜3時間が、この子たちの手当てに使われています。
これが本当の手当てだと思ってます。
そして動物看護師さんの愛情が無いと、全く成り立たない治療だとも思ってます。

事故の子は、腕の部分がが深くえぐれ親指をもぎ取られ折れた骨が出てしまってます。
しかも時間が経過してるため、壊死と化膿、悪臭もひどいことに‥‥
こちらは『湿潤療法』を行なってます。

湿潤療法とは、動物が本来持っている病気や怪我を自らの力で治そうとする『自己治癒力』を引き出す治療方法です。
この治療では、傷の消毒やガーゼで覆うことをせず治していきます。
もちろん水分と栄養状態の改善も、必要です。

 【治療開始、2日目です! 壊死組織も取れ、傷の再生が始まってます!】

傷が治るためには、さまざまな細胞が傷口に集まります。
その集まった細胞が活躍できるようにしてあげるのが、湿潤療法です。
治療のポイントは、傷口を消毒しないこと、乾燥させないことです。

ばぜ消毒しないかというと
消毒薬は傷口にいる細菌を殺すよりも、傷を治そうとしている細胞の方に大きなダメージを与えてしまうからです。

なぜ傷口を乾燥させないかというと
細胞は死ぬと「かさぶた」になります。
この死んでしまった「かさぶた」からは、新しい細胞は生まれません。
また「かさぶた」は細菌の良い繁殖場所ともなり化膿の原因にもなります。
修復が進んでいる傷は、超デリケートな状態になっています。
その傷を優しく覆い「かさぶた」が出来ないように、湿潤した状態を保っています。

また傷から分泌される、まるで化膿したような浸出液は傷を治す重要な治療薬と考えます。
これが乾燥してしまうと、傷の治りが遅くなってしまうのです。
そのため、傷の部分を『創傷被覆材』で覆い乾燥を防ぎます!!

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