Dr.Nyanの健康講座

ワンちゃん、ネコちゃんの検便でわかること

2019.02.11

皆さん動物病院へ行くと「検便しましょう」って良く言われますよね。
その検便って、何を検査しているのでしょう?
「お腹の中の虫」
はい、大当たり・・・でも、それだけでしょうか?
他にもいっぱいあるんですよ。
今回は、その紹介です。

糞便検査法

【見た目の検査】

1.形と固さ
ウンチの形と硬さからは、腸の消化、吸収、運動などの状態がわかります。
硬さは、固形便(コロコロ状)、有形軟便(マヨネーズ状)、泥状便(ケチャップ状)、水様便(下痢状)などに区別されます。

2.量
小腸付近に問題があるときは、排便回数が少なく、1回の量が多くなります。
結腸や大腸に問題があるときは、排便回数が多く、1回の量が少なくなります。
消化液(特に膵液)の分泌が減少したとき、胃腸の吸収が悪いとき、腸蠕動(ぜんどう)運動が増したときは、排便回数が多く、量も多くなります。

3.色
普通の便の色は黄褐色をしています。
肉を多く食べると、黒褐色になります。
激しい下痢のときには、黄褐色が薄まった感じで黄色から黄緑色になります。
白っぽい粘土色の場合には、胆汁の排泄が不足しており脂肪の消化状態が悪くなって居るときに見られます。
黒いタール色・暗赤色は、胃や小腸からの出血のときに見られます。
鮮やかな紅色の場合には、肛門の近くや大腸からの出血のときに見られます。

4.臭い
膵臓や腸に炎症がある場合には、腐った臭いがします。
腸の中で炭水化物が発酵すると、酸っぱい臭いがします。

5.酸性、アルカリ性
肉を多く食べると、アルカリ性に傾きます。
腸の中で異常発酵すると、酸性の度合いが強くなります。
また、腸の中で腐敗状態が起きてくると、アルカリ性に傾いていきます。

【見た目の検査/病的に見られる物】

1)粘液
多量な粘液は、腸の炎症が原因になっています。
小腸からの粘液は、便に平等に混ざっています。
大腸からの粘液は、便の表面に付いています。

2)膿
潰瘍があるときに粘液や血液に混じって見られます。
大量の場合は見ればわかりますが、少量の場合にはわからない事が多いので顕微鏡でさがします。

3)血液
胃や小腸からの出血のときには、黒いタール色・暗赤色として見られます。
肛門の近くや大腸からの出血のときには、鮮やかな紅色や肉汁様に見られます。

4)石
病気でも見られますが、石を食べる仔にも見られます。

5)組織成分
腸に炎症や病気があると、粘膜の破片が便に混じって見られます。

【便の中に含まれている物の、顕微鏡検査】

ウンチの中に含まれている物
・消化吸収できない、食物の残りカス
・食べ過ぎて消化できずに、そのまま排泄した物
・消化液またはその成分
・食べ物が分解されてできた物
・胃や腸の細胞など
・腸の中に住む細菌
食物残渣(食物の残りカス)

1)筋線維
消化酵素のトリプシンが少ないときに多数見られます
筋線維中に核が見られる場合は、膵臓に障害があるとされます。

2)脂肪
膵臓に炎症が起き消化障害が出た場合には、便に脂肪が見られます。
脂肪が便の中に多量にあると、便が白く見え酸っぱい臭いがします。

3)デン粉
デン粉の消化障害があるときに見られます。
多量にデン粉が見られる場合には便が発酵していたり、便の中に小さな泡が見られます。

4)結合組織
胃に問題があり消化酵素のペプシンが少なくなったときに見られます。

【細菌・原虫・寄生虫の検査】

最後は、皆さんご存じの検査です。

便の中には大腸菌をはじめ、細菌がいっぱい見られます。
その中には、キャンピロバクターなど下痢などの病気が起きたときに見る事のできる菌もいます。
原虫というのは、トリコモナスやイソスポラなどの仲間を言います。
細菌や原虫の検査は新鮮な便ほど確実になります。

寄生虫検査は、2種類以上の検査方法を行い確実に調べます。
飼い主さんが帰られてから見つかった、なんて事もあります。

ウンチにはこのように、情報がいっぱいです。
なるべく固い容器に入れて持って行くと、良いですよ。
ラップに包んでそのままでバックの中に・・・来院時には爆発してました。

病院へは、新鮮な便を乾燥させずに持って行きましょう。

◆◆原虫とは、単細胞の生物です。
単細胞生物ですが、その体内に摂食、運動、浸透圧調節、排泄等の働きをする細胞内器官を備えています。

原虫は宿主の体内で増殖するのが普通です。
増殖するスピードがかなり早いため、病気の進行が他の寄生虫病よりも早いという特徴があります。

過去の記事をさがす