若山動物病院ブログ
猫難治性口内炎と再生医療
猫ちゃんの病気で多い「口内炎」は限局した部分にのみ出来るものから、口の中の全域にわたって出来るものまであり、その多くは慢性的で治療方法も投薬から抜歯などありますが改善されない例も多くあります。
近年では幹細胞を用いた「再生医療」が、その症状を改善させる可能性がある治療方法として行われるようになってきました。
難治性口内炎に対する幹細胞療法には二つの方法があり、各方法とも1ヶ月間隔で2回静脈投与します。
・自分自身の脂肪細胞から培養した「自家幹細胞」
・健康な猫から採取した脂肪細胞から培養した「他家幹細胞」
治療の結果は施設によって少し違いますが、何らかの効果が見られたという結果が出ています。
・自家幹細胞は70%、施設によっては80%近いとの報告もあります。
・他家幹細胞は57%
この結果から効果が高いか低いと見るかは、難治性口内炎に対する考え方だと思います。
全体的に見れば無反応かわずかしか改善しなかった場合もありますが、完全に治癒したものをあることから、効果は高いかなとは思います。
難治性口内炎の猫ちゃんは栄養状態も悪く闘病生活も長いため、可哀想な病気です!
もし何らかの治療を行うことで食べることも水を飲むことも、また毛繕いも思いのまま出来るようになれたらなと願います。