若山動物病院ブログ
猫のアポクリン腺腫瘍
皮膚には汗腺があり、そこから汗が出ます。その汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、汗を出す仕組みや汗の性状がそれぞれで違います。
汗腺の違い!
【ヒトでは】
エクリン腺は、ほぼ全身にありサラサラの汗を分泌し体温の調節を行っています。
アポクリン腺はカラダの限られた部分にあり、元々はフェロモンの働きをしていたとも言われています。
【猫ちゃんでは】
エクリン腺は、肉球にしかありません。
これは高い場所に上ったり狭い場所を移動する際に、足裏がシットリと濡れ滑り止めの働きをします。
アポクリン腺は、ほぼ全身にあります。
そのアポクリン腺が腫瘍化したものが、アポクリン腺腫瘍です。
アポクリン腺腫瘍には、良性のものと悪性のアポクリン癌があります。
良性もしくは悪性度の低いアポクリン腺癌では、病変部の完全切除により治癒が期待できる可能性が高いと言われています。
アポクリン腺腫瘍はワンちゃんでは良くみられますが、猫ちゃんではそれほど多くありません。
【発生のピーク】
- ワンちゃんでは8~11歳
- 猫ちゃんでは6~13歳
【よく発生する部位】
- ワンちゃんでは頭頚部
- 猫ちゃんでは頭部
アポクリン腺が癌化したものが、アポクリン腺癌です。
この癌もワンちゃんでは比較的よくみられますが、猫ちゃんではそれほど多くありません。
また肛門腺もアポクリン腺が関与した組織で、腫瘍化しますが猫ちゃんには少ないと言われています。
ちなみエクリン腺が腫瘍化してしまうことは、とても少ないようです!