若山動物病院ブログ
レプトスピラ症の報告
千葉県の家畜衛生対策室より、6月3日付けで、船橋市で2例、市原市で1例、獣医師から家畜の届出伝染病(犬のレプトスピラ症)の届出があったとの通知がありました。
レプトスピラ症はレプトスピラ菌による急性熱性疾患です。
また人獣共通感染症の一つです。
ヒトの感染症法では四類感染症に指定され、また家畜伝染病予防法では届出が義務化されています。
過去には、佐倉市在住の2歳の犬が発症した事例もあります。
症状としては嘔吐、下痢、食欲や元気が無くなり、意識状態も悪く、体温も36.4°Cと下がっていたそうです。
検査では急性腎不全、肝性黄疸となっており、DICにより肺からの出血で亡くなったそうです
レプトスピラに対するワクチンの接種歴は無かったそうです。
また、診断はPCR検査により行われたとの事でした。
レプトスピラは、ほとんど全ての「ほ乳類」に感染します。
つまりヒトにも感染する危険性があります。
レプトスピラは感染した動物の腎臓に棲みつき、オシッコ中に排出する保菌動物となります。
特にネズミなどに保菌してる確率が高いため、重要な保菌動物として考えられています。
オシッコに排泄されたレプトスピラは、土や水の中にに数週間生存します。
皮膚や粘膜から体内に侵入することで、感染します。
大雨のあとは感染の危険性が高くなるため、注意が必要と言われています。
またオシッコを介して、ヒトからヒトへ感染したとの報告もあります。
潜伏期間は、通常は5~14日ですが時には3週間にもおよぶことがあります。
レプトスピラ症の予防には、混合ワクチンに含まれているものを接種する事が大切です。
これは犬にのみのワクチンであって、猫にはありません。
そのため、屋外に出る猫にも感染する危険性があります!