若山動物病院ブログ
嬉しい言葉
幹細胞療法は、まだメジャーな治療方法ではありません。
そのため症例数も少ないせいか、興味があっても治療に踏み切れない方もいらっしゃいます。
診療の中でも、幹細胞を使った治療の事を話してはいます。
ただ時間的な事から、詳細なところまでの説明がなされない事もあります。
そのような事から、7月の院内セミナーは「幹細胞」について行いました。
実は幹細胞は、結構身近な場所で当たり前の事を行なっている細胞なんです。
皮膚や腎臓、また腸など体の細胞には、それぞれに寿命があります。
そのため寿命を迎えた細胞は常に新しい細胞に入れ替わり、その機能を維持しなくてはなりません。
つまり皮膚の細胞は皮膚を、また腎臓の細胞は腎臓、そして腸は腸へと自分と同じ新たな細胞を作ります。
その新しい細胞を作り補充する能力を持つ細胞が『幹細胞』です!
幹細胞は様々な治療で用いられてます。
当院ではこのところ、猫ちゃんの慢性腎炎での治療で行う事が多くなりました。
幹細胞療法は即効性のある、治療方法ではありません。
しかし治療後1~2週間程度で生活の質、いわゆるQOLが良くなってきます。
話は元に戻って・・・・
セミナー後に、幹細胞療法を受けた猫ちゃんが居ます。
その子の腎臓の状態は、慢性腎炎の初期のため漢方などを使ってました。
幹細胞療法後はガラッと動きが変わって、元気モリモリになって走るようにもなったそうです。
しかもキャットタワーにまで飛び上がるようにもなって、驚いたそうです。
飼い主さんは、もう嬉しくてしょうがないそうです。
幹細胞は、体を作るすべての細胞に変化することができる能力も持っています。
もし幹細胞がカラダの中に大量にあれば、ケガや病気が治るのは早くなります。
しかし残念ながら、カラダの中の幹細胞には限りがあります。
そこで幹細胞をカラダの中に入れてあげ、ケガや病気を治そうとするのが幹細胞療法なんです。
ただ治療目的とした場所以外にも、このように効果が出てしまう事があります。
でも、これらの効果は飼い主さんには嬉しいものです。
今回も飼い主さんの笑顔を見て、培養の手間も忘れるほど我々も嬉しくなりました。
ヤッター
ちなみ治療に使用される幹細胞は、マイナス80℃の超低温で保存されています。
そのため培養でお待たせする事無く、治療を始める事ができます。
ちなみ我が家の長老猫にも、幹細胞療法を行なってます。