若山動物病院ブログ
新たな生活
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
今日は13日の金曜日。
「13日の金曜日」といえばアメリカの映画が有名で、さらに不吉な日としても知られていますよね。
しかし、2024年9月13日の金曜日は不吉とは無縁の日なんです!
旧暦時代に日々の吉凶を表す暦注として使われていた「暦中下段」
その中には縁起が良いとされる7つの吉日「七箇の善日(ななこのぜんにち)」というものがあり、今日はその7つの吉日のうち「鬼宿日」「天恩日」「母倉日」「月徳日」の4つが重なるというスペシャルデー!
人生において転機となるような物事をスタートするのにぴったりな吉日なんだそうです。
そんな素晴らしい日に新たな生活をスタートさせるべく、歯科処置にやってきた猫ちゃん /ᐠ..̫.ᐟ\
麻酔をかけて口の中を覗いてみると、歯石はそんなに多くはありませんが歯肉の退縮や腫れが見られます。
上顎の歯肉が退縮してしまっている部分についた歯石をとると、そこには吸収病巣ができていました。
他の歯はどうかと細かく確認していくと、あちこちの歯に吸収病巣が見られました。
吸収病巣とは歯が吸収されて骨に置き換わってしまう病気で、3歳以上の猫ちゃんの約50%が罹っていると言われています。
根本的な原因は解明されておらず、吸収病巣による強い痛みや口腔内の不快感は歯が完全に吸収されるまで続き、吸収病巣による痛みの解消には原因となっている歯を抜歯するのが一番だとされています。
実際に抜歯した歯を確認すると、右側2本の歯は歯根部分の一部が吸収されてなくなってしまっています。
また一番左の歯に関しては歯全体が溶けたようになくなり、一部分のみが歯肉の中に埋まるようにして残っていました。
吸収病巣には有効な予防法はありません。
痛みによる辛い時間を少しでも減らし多くの歯を残してあげるためにも、お家での適切なデンタルケアや定期的な歯科健診で早期発見・早期治療に繋げていきましょう。