若山動物病院ブログ
しこり
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
今日は秋雨前線の影響で1日中お天気が悪く、午後からは雨が降り出したことで気温がぐっと下がって急に寒くなりました。
こんなお天気の時は下痢や嘔吐、膀胱炎などが増えやすいので腹巻きをつけて体を冷やさないようにご注意ください。
また最近は呼吸器・循環疾患で体調を崩してしまう子が急増しています。
持病として呼吸器・循環疾患がある子はもちろんですが、そうでない子も十分にお気をつけください。
先日病院犬ロイスの体をなでなでしていると、不思議な感触のしこりを発見。
しこりは右胸の皮膚の下にあり、触ると柔らかくて丸っとしています。
皮膚自体には特に異常は見られないので、おそらく皮膚の下になにか腫瘍ができてしまったようです。
ロイスは過去に悪性腫瘍である「軟部組織肉腫」ができたことがあるので、転移の可能性も考えて早急に検査をすることに。
今回も前回と同じく細胞診検査からおこなっていきます。
「細胞診検査」とは病変部の細胞を一部採取し、その病変は何なのか良性なのか悪性なのかなどを顕微鏡を使って調べる検査です。
細胞診検査の結果、ロイスの右胸にできていたしこりは「脂肪腫」でした。
「脂肪腫」とは脂肪組織から発生する良性の腫瘍で、犬では一般的に見られ、猫ちゃんでは稀な腫瘍です。
胸やお腹、足などに多く発生する傾向があり、発生する部位や大きさによっては体を動かしづらくなったり摩擦によって皮膚が赤くなったりすることもあります。
脂肪腫の原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因、肥満、運動不足などが関連していると考えられています。
腫瘍は年齢を重ねるにつれて発生率は高くなり、体の内外関係なくできてしまいます。
体の外にできたものは触ることで見つけることができますが、体の中にできてしまった腫瘍は簡単に見つけることはできません。
病気の早期発見のためにも定期的な健康診断を受けて、病気の予防・早期治療を目指しましょう!