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がんの治療にビタミンCが使われる理由

がんの治療にビタミンCが使われる理由

このところ「がんの補助的な治療」として、高濃度ビタミンC療法を選択する飼い主さんが増えています。
そこでチョットわかりやすく、説明します。

高濃度ビタミンC療法は通常のビタミンCの摂取とは異なり、非常に高い濃度のビタミンCを体内に直接投与することで、特定の効果を期待する治療方法です。

高濃度のビタミンCの使用

通常の食事やサプリメントでは摂取するビタミンCの濃度に限界があります。
そのため非常に高い濃度のビタミンCを直接点滴によって血液中に注入します。
これが治療効果に結びつくとされています。

がん細胞の代謝特性

「がん細胞」は普通の細胞よりも急速に成長するため、大量の栄養を必要とします。
そのため「がん細胞」は栄養源としてのグルコース(ブドウ糖)を効率的に取り込もうとして「グルコース輸送体」なるものを多数増やします。

このグルコース輸送体はグルコースが細胞の中に入るのを助けますが、ビタミンCも取り込んでしまいます。
つまり大量の栄養を必要とする「がん細胞」は、普通の細胞よりもビタミンCを大量に取り込んでしまうことになります。

がん細胞の酸化ストレス

普通の細胞ではビタミンCはカラダを守る働きをしますが、「がん細胞」の中では違う働きをすることがあります。
「がん細胞」は通常の細胞に比べて、酸化によるストレスからダメージを受けやすい細胞と言われています。
その「がん細胞」に大量のビタミンCが取り込まれると「プロ酸化剤」つまりビタミンCが酸化反応を引き起こす物質として作用することがあります。
このように「がん細胞」は酸化ストレスから、細胞死を引き起こしやすくなります。
これが、ビタミンCが「がん細胞」に影響を与える理由です。

免疫機能のサポート

ビタミンCは免疫系を強化し、体の防御機能を高めることが知られています。
高濃度のビタミンCは免疫細胞の働きをサポートし、がん細胞への攻撃を強化します。

副作用の軽減

高濃度ビタミンC療法が、抗がん剤での副作用(倦怠感や吐き気など)を軽減する可能性があるとの研究報告もあります。
つまり高濃度ビタミンC療法は、生活の質を悪化させないことが期待されています。

簡単にまとめると

「がん細胞」はエネルギーを多く必要とするため、ビタミンCを普通より多く取り込んでしまいます。
ビタミンCは「がん細胞」に取り込まれると「がん細胞」を傷つけ、しかも「がん細胞」を攻撃しつつ、免疫機能をサポートし生活の質を改善します。
ただ治療効果は個体により異なりますし、体質的に高濃度ビタミンC療法を行えない場合もあります。
そのため、抗がん剤などの治療と併用することが推奨されています。