若山動物病院ブログ
病気を嗅ぎ分ける?
こんにちは。
千葉県佐倉市『若山動物病院』の松田です。
最近犬の嗅覚を利用した「医療探知犬」の記事を見ました。今回はそのことについて少しお話ししたいと思います。犬の嗅覚については様々な研究が進められています。近年、ヒトの病気の臭いを嗅ぎ分ける医療探知犬が注目を集めています。
犬の嗅覚と病気の関係
犬は非常に敏感な嗅覚を持っており、病気が進行すると体内で生じる微妙な化学物質の変化や特定の「揮発性有機化合物」を嗅ぎ分けることができるそうです。例えば、がん細胞は通常の細胞とは異なる代謝活動を行い、その過程で特殊な化合物が生成されます。これが体の一部やはいた息、汗などに現れ、犬が感知することができるということです。
犬が嗅ぎ分けることができる病気
がん
研究では、犬が肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がんなどのがんを検知できることが示されていて、ある訓練された犬は、がん患者の尿や呼気のサンプルから正確にがんを特定したという報告があります。
糖尿病
糖尿病患者の血糖値が急激に低下(低血糖)または上昇(高血糖)するとき、体の臭いが微妙に変化するそうです。これを感知するために訓練された犬は、飼い主の体調が急変する前に警告することができるんです。
COVID-19
新型コロナウイルス感染症も、犬が嗅ぎ分けられる病気のひとつです。空港やイベント会場などで感染の有無を判断するために訓練された犬が活躍しています。
医療現場へ
犬の嗅覚を利用した病気の検知は、迅速かつ非侵襲的であるため、今後の医療現場への導入が期待されています。ただし、嗅覚の感度には個体差があったり、訓練方法や環境の影響も受けやすいため、まだ課題も残されています。そのため、犬の嗅覚を活用する一方で、将来的には人工嗅覚センサーの開発も進められているそうです。
こういった研究が進み、より現実的に実用化されるといいですね。本当に犬と人は良きパートナーであると感じました。
それではまた。