若山動物病院ブログ
新しい出会いと戸惑い
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
先日秋の健康診断を受けた飼い主さんとお家でのデンタルケアについて話をしていました。
最近リング型の歯みがきガムを見つけ、お家ではそれをよく噛んでいるとのこと。
いろいろな形のガムが売られているのは知っていますが、リング型のガムがあるのは初耳。
ネットで調べて買ってみようと思っていたら、そのリング型のガムを病院犬たちにプレゼントしてくれました!
ありがとうございます \(*ˊᗜˋ*)/
袋を開けてみると、思っていた以上に丸いガムが入っていました。
ずっと見てるとオニオンフライにも見えてきますね…。
原料は牛皮がメインなようですが触った感じはそれほど硬くないように思います。
さっそく病院犬たちにあげてみることに!
初めてのリング型に最初はどう噛んだらいいのか戸惑っていましたが、それぞれ好きな噛みスタイルを見つけて頑張って噛んでいました。
まずはロイス。
噛むことが大好きなロイスは誰よりも早くリング型を攻略し、普段と変わらないスタイルで噛んでいました。
次はルーサー。
ルーサーは両手で床に押さえてちまちま噛んでいくスタイル。
この後調子づいてガムを咥えたら下顎にガムがハマってしまい、なかなか取れずに焦っていました (o´艸`o)
最後はシロちゃん。
豪快なシロちゃんは一噛みでリングを潰そうと頑張っていました (((;°Д°;))))
しかし、どうしても上手くいかなかったようで諦めて最後は普通に噛んでいました。
噛むだけで歯をキレイにしてくれる歯みがきガムですが、その効果を最大限に発揮するためにはゆっくり時間をかけて噛み続ける必要があります。
よく噛むことで唾液の分泌量が増加し、歯垢や歯周病の予防につながります。
唾液には多くの成分が含まれていて抗菌・殺菌効果や発がん物質を中和してくれる効果もあることがわかっています。
その他にも顎を動かすことで頭部の血流が良くなり脳が刺激されて活発に働くことで集中力や学習能力の向上、認知症対策、老化防止効果があります。
脳の中央付近には「海馬」と呼ばれる部分があり、そこでは毎日新しい神経細胞が生まれています。
噛む回数が減ってしまうと海馬で生まれる神経細胞が少なくなるだけではなく、生まれた細胞の寿命も短くなってしまいます。
死んだ神経細胞が増えると海馬の容積が少なくなって機能が低下し、認知症が進行しやすくなってしまうのです。
さらにはよく噛むことで自律神経の1つである副交感神経が刺激され、ストレスの緩和や免疫力の向上が期待できます。
歯みがきガムを早く噛み終えてしまう子には、手で持ったまま与えることをオススメしています。
手で持って与えることで噛むスピードを調整しつつ噛み癖を矯正し、しっかりと奥歯で噛んでくれるようになります。
『秋の健康診断』には口腔内検査も含まれているため、お家の子の歯石や歯肉の状態、歯周病菌の種類や量、歯周病菌の悪性度など細かなところまで知ることができます。
お口の健康は全身の健康と密接に関わっているため、定期的に歯科検診を受けて病気になりづらい体作りをしていきましょう。