若山動物病院ブログ
腰と便秘でしんどそうな猫
動くことも嫌がり食欲も元気も無く、激烈にしんどそうな猫が来ました。
チェックすると便秘と腰の部分の背骨の変形、いわゆる腰痛です。
実は腰痛と便秘は、とても密接な関係にあります。
どちらか一方が他方を悪化させる、つまり腰痛だと便秘が悪化、また逆に便秘だと腰痛が悪化してしまうんです。
このように腰痛と便秘が相互に影響し合うことで「しんどい」状態が悪化していきます。
じゃぁ何で腰痛と便秘って関係になるのか・・・です。
便秘が腰痛を引き起こす理由
腸の圧迫による腰部への負担
ウンチが腸内に溜まることで、腸がウンチで膨張し周囲の臓器や筋肉、神経を圧迫します。
腸が背骨や骨盤周辺の筋肉を圧迫すると、腰部に痛みを引き起こすことがあります。
腸内ガスの蓄積
便秘が進行すると、腸内にガス=オナラが溜まりやすくなります。
オナラが腸を膨らませるとお腹が張り、腰の周辺に不快感や痛みを感じることがあります。
姿勢の変化
お腹の不快感や張りから猫が体を丸める姿勢をとり続けると、腰に負担がかかります。
炎症の波及
便秘が進行し腸の中に炎症が起きると、その炎症が近くの筋肉や神経に波及し腰痛を引き起こすことがあります。
腰痛が便秘を引き起こす理由
運動不足
腰に痛みがあると、猫は動くことを嫌う傾向があります。
運動不足により腸の蠕動運動が低下することにより、便秘を引き起こしやすくなります。
姿勢の影響
腰痛があると猫は体をかばう姿勢をとることが多く、腹部への圧力や腸の働きに影響を与えます。
その結果、腸がうまく動けず便秘が悪化する場合があります。
ストレスと痛みによる影響
腰痛による痛みや不快感からがストレスを感じ、腸の働きが悪くなります。
痛みを感じると副交感神経が抑制され、腸の動きが鈍くなってしまいます。
腰痛と便秘が引き起こす悪循環
便秘が腰痛を悪化させる
腸の中のウンチやオナラの圧迫から腰痛が悪化します。
痛みにより猫が動きたがらず、便秘が進行します。
腰痛が便秘を悪化させる
運動不足や姿勢の影響で腸の動きが落ちてしまいます。
便秘が進行し、腸内の膨張感が腰痛をさらに悪化してしまいます。
猫の便秘と腰痛への対処法
健康的な食事と水分補給
水溶性繊維が豊富なフードと、水分を十分に摂ることにより、便秘のリスクが低くなります。
適度な運動
年齢や体調に合わせた運動を取り入れ、腸の動きを活発にさせます。
定期健康診断
腰椎や腸の健康状態を確認するため、最低でも年に2回の健康診断を受ける!
猫の1年は、人の4年分に相当する速さで老化していきます。
そのためカラダの変化はとっても大きいのですが、カラダの中までは眼では見えません。
まとめ
腰痛と便秘は密接に関連しており、どちらか一方がもう一方を悪化させるという悪循環に陥ることがあります。
- 便秘による腸の圧迫や炎症が腰痛を引き起こす!
- 腰痛が運動不足や姿勢の悪化を通じて便秘を悪化させる!
だから、たかが便秘とか腰痛だと思わないようにして下さいね。
この悪循環を断ち切ることが、長生きの秘訣の一つにもなっています。