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若山動物病院ブログ

猫のメガコロン

メガコロンのイラスト

1ヶ月近く、ウンチの出が悪い猫ちゃんです。
かろうじてチュールは食べていたのですが、もう何も食べない状態になってしまったそうです。
この頃は、ウンチをする姿も見ていないとか・・・

腹が腫れた感じで、そこを触ると固いゴツゴツしたものがあります。

ウンチが出ないッ!
いわゆる便秘ってヤツです!

お腹の中は、ゴロゴロしたウンチが大量に詰まっています。
しかも激固!
ウンチをしたい、そんな気配もありません。

これじゃ〜いくら頑張っても、ウンチは出ません。

便秘の状態
赤い矢印は、固くなったウンチを指しています。

このような状態をメガコロンと言うんだよ!
大腸の中の結腸に、ウンチが詰まってしまちゃうんだ。
しかもウンチが出ないだけじゃなく、色々と不調が起こってしまう大変な便秘だよ!

目次

メガコロンが起こる原因

  • 慢性的な便秘:ウンチが腸内に長時間溜まると腸の動きが低下し、腸が拡大してしまう
  • 神経や筋肉の問題:腸の正常な動きをコントロールする神経や筋肉に異常が起こり、ウンチの移動がうまくいかなくなる
  • 食生活の影響:繊維質の不足や水分の取り込み不足が、便秘のリスクを高める

治療法

症状の程度や原因によって異なりますが、以下の方法が一般的です

  • 薬物療法:便秘を改善するための薬や、腸の動きを良くする薬を使う
  • 食事療法:ウンチが硬くならないフードや、水分補給を心がける
  • 手術:重度の場合、薬や食事療法だけでは改善が見込めないときに手術が検討されます

今回は、こんな治療をしたんだよ!
・脱水の改善のため輸液
ウンチを軟らかくする薬を飲ませたのと、直接肛門から入れた
・食欲が無いので、経鼻チューブでフードを食べさせた
・お腹のマッサージ

メガコロン治療終了の写真
治療開始8日目です!

ウンチがしたくなくなる理由

便秘の状態が続くと、ウンチをしたいという気持ちが無くなってしまいます。
つまり便意が低下する、その理由にはいくつかの要因が考えられます。

じゃぁ、その理由を説明しますね。

便秘や腸の機能低下

ウンチが腸内に長時間留まると固くなり、また腸の動きが鈍くなることでウンチをするのが大変になります。
大腸が拡大してしまうと、便意を感じにくくなることがあります。

痛みや不快感

ウンチをする際に痛みや不快感を感じると、自然とウンチをする事を避ける傾向にあります。
肛門周辺の炎症やその他の病気が原因で、ウンチをする事自体が苦痛になっている場合も考えられます。

神経や筋肉の問題

腸の動きをコントロールする神経や筋肉に異常があると、正常な便意が伝わらなくなります。
その結果、ウンチがしたいと言う衝動が薄れてしまいます。

環境的・行動的なストレス

トイレの場所や清潔さや家庭内の環境の変化などがストレスとなり、安心してウンチができない場合があります。
例えばトイレが汚れていたり、他の猫ちゃんとの関係でストレスを感じている・・などです。

加齢による体の変化

高齢になると腸の動きが全体的に落ちてしまい、結果としてウンチをしたいと感じが薄れてしまうことがあります。

以上のような理由がひとつ、または幾つか重なってウンチをしたいとならなくなってしまうんだよ!

予防と日常ケア

メガコロンのリスクを減らすためには、以下の点に注意することが大切です:

  • バランスの良い食事:適切な食物繊維と水分を含む食事を心がける
  • 適度な運動:猫が遊びやすい環境を整え、日常的に体を動かせるようにする
  • 定期検診:早期発見のために、定期的に獣医師の診察を受ける

快適に生活できる環境を整えることで、メガコロンなどの腸の問題の予防に繋がりまヨ!

まとめ

メガコロンは、見た目にもわかりやすい便秘や腹部の膨らみといった症状を引き起こします。
原因は多岐にわたるため治療が難しいこともあります。
回復後は日常のフードや水分補給、運動、定期検診で予防に努め、健康を守ってあげましょうね!