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若山動物病院ブログ

猫のプリモーディアルポーチ

猫の皮膚

猫のお腹から後足の付け根にかけてある、あのたぷたぷとした皮膚のたるみは何だ?
また猫の皮膚はなぜあんなに「よく伸びる」の?
そう思ったことはありませんか?
実は猫の皮膚は「スライド構造」と呼ばれる独特な仕組みを持っています。

この「スライド構造」とは、皮膚が体の下の筋肉や骨格にピッタリ密着していないため、まるで服を着ているかのように皮膚だけが自由に動く構造のことです。

特に首やお腹まわりに皮膚が余っています。
これは他の動物に噛まれた時に、皮膚が伸びることで大事な臓器を守る役割を持つことからです。
この構造のおかげで、猫は背中や首を捕まれてもすぐに体をひねって反撃することができるのです。

お腹にある、タポタポした皮膚(プリモーディアルポーチ)は、野生時代の名残りなんです。

喧嘩する猫

お腹のタポタポは、獲物をたくさん食べてお腹が膨らんだときにも苦しくないように・・・
と進化したものと考えられています。

またジャンプやダッシュなど激しい運動の際に、脚を思い切り伸ばしても皮膚が突っ張らないという構造でもあります。
ヒトで例えれば、きついスボンを履くと動きづらくなりますよね?
このタポタポがあることにより、俊敏な動きが可能になるそうなんです。

こうした猫の皮膚の特性は、ペットケアの観点でも重要です。
この伸びやすい皮膚に優しいマッサージをしてあげることで、信頼関係を深める良いスキンシップにもなります。
首筋や背中をゆっくり撫でてあげるだけでも、多くの猫はリラックスしてゴロゴロと喉を鳴らして喜びます。
ただし猫が嫌がる場所は避けましょうね。

猫の皮膚の不思議なスライド構造を理解すると、猫ちゃんの健康を守る大切なものであることが分かります。
ぜひ愛猫の体に優しく触れて、日常のケアに役立ててみてください。