若山動物病院ブログ
今日は「大暑」
もうこんなに暑い日は、早くバイバイしたい!
でも自然のことだし、この暑い時期を乗り切るしかない。

実は今日、7月22日は暦の上で「大暑」と呼ばれる日なんです。
「大暑(たいしょ)」とは?
昔の人々は、農作業や生活の目安として太陽の動きを観察し、季節の変わり目を24等分した「二十四節気(にじゅうしせっき)」を作りました。
「大暑」は二十四節気のひとつで、文字通り「大いに暑い」と書くように、1年で最も暑さが厳しくなる頃を意味しています。
例年、7月22日頃から8月6日頃までが「大暑」の期間とされ、梅雨が明けて本格的な夏が訪れるタイミングです。

「大暑」は夏の最後に位置し、次に来る「立秋」は暦の上での秋の始まりなんです。
つまり「大暑」は、夏のピークを迎える合図でもあるのです。
動物たちにとっての「大暑」
この「大暑」の時期、ヒトだけでなく動物たちも暑さによるストレスを強〜く強く受けます。
ワンちゃん・猫ちゃんたちは、私たちと違って汗をかいて体温を下げることができません。
犬はパンティング(舌を出してハァハァする呼吸)で、カラダの熱を逃がします。
しかし気温や湿度が高すぎると、この方法にも限界があります。
猫は暑さに、比較的強いとは言われます。
しかし近年の猛暑は、猫ちゃんにとっても過酷なんです!

シニア期の子や持病のある子、小型犬やフレンチブルドッグ、ペキニーズ、ペルシャ猫などの短頭種は特に注意が必要です。
熱中症や脱水など、夏ならではの不調が出やすい時期なのでで体調管理には注意しましょうね。
「大暑」の時期に気をつけたいこと
1.熱中症対策は最優先
・室温管理をしっかりと
エアコンの設定温度は25~27℃前後が目安です。
湿度も50~60%程度に保ちましょう。
また風通しの良い場所を作ることも重要です。
・日中のお散歩は避ける
朝は早め、夕方は日が落ちてからの涼しい時間帯にしましょう。
アスファルトの温度も要チェックです。
・車内放置は厳禁
5分でも命の危険があることを、改めて心に留めておきましょう。
2.水分補給を促す工夫
ワンちゃん・猫ちゃんにとっても水分補給は命綱です。
飲水量を増やす工夫をしましょう。
- 水飲み場は複数箇所に設置
- 冷たい水が苦手な子には常温に
- ウェットフードを活用する
- ヤギミルクや犬猫用スープで嗜好性UP
3.夏バテや食欲不振にも注意
暑さで胃腸が弱り、食欲が落ちる子も増えます。
- 消化のよい食事に変更する
- 少量ずつ、回数を分けて与える
- ニオイを立たせて嗜好性を上げる(レンジで数秒温めるなど)
いつもと違う食べ方や便の状態の変化も、夏バテのサインかもしれません。
4.皮膚トラブルの予防も
汗をかきにくい動物たちでも、湿度の高い時期は皮膚の蒸れや細菌の繁殖が起こりやすくなります。
- お散歩後の足回りはしっかり乾燥
- お腹や脇など蒸れやすい部分は清潔に
- 定期的なブラッシングで皮膚の状態をチェック
最後に:人も動物も無理せず「涼」を取り入れて
「大暑」は、暦の上で、自然が「体調に気をつけてね」と教えてくれている時期です。
私たちヒトも動物も、「涼しく過ごすこと」が命を守るカギになります。
ぜひ!
おうちのワンちゃん・猫ちゃんの過ごし方を見直して、夏の健康管理を万全にしてあげましょう。

「食欲が落ちている」「元気がない」「暑さに弱そう」と感じたら、いつでもご相談くださいね。
夏バテや熱中症は、予防と早期対応が何より大切です。