若山動物病院ブログ
ローリングスキン症候群?
猫ちゃんが、突然に猛ダッシュ!
なんでだ?
そのような行動に、ビックリしたことありませんか!?
急に背中の皮膚がピクピク・・・
あら?背中が痒いのかな?
そんな行動、チョット不思議に思ったことはありませんか?

それって・・・
もしかすると「ローリングスキン症候群」かもしれません。
別名「猫の知覚過敏症候群」とも呼ばれ、皮膚や神経が過敏になってしまう状態なんです。
今回は、そんなチョット変わった症状についての話です
どんな症状?
ローリングスキン症候群では、以下のような行動が見られることがあります。
- 背中の皮膚が波打つようにピクピクする
- しっぽを追いかけたり激しく振る
- 何もないのに突然ダッシュする
- グルーミングが過剰で毛が抜ける
- 自分の体を噛んだり舐めすぎて傷ができる
- 興奮して飼い主や同居猫を攻撃することもある

症状は数秒~数分と短く、終わるとケロッとしていることがほとんどです。
でも・・・
繰り返し見られるようなら、注意が必要です。
原因はなに?
実は、はっきりした原因はまだわかっていません。
ただいくつかの要因が関係しているのではと、考えられています。
- ストレスや環境の変化(引っ越し、来客、新しい猫など)
- 神経の過敏さや軽度のてんかん
- 背中や腰の痛み、皮膚病、アレルギー
- 遺伝的な傾向(シャムやアビシニアンなど一部の純血種で多い)

つまり身体的な要因として、精神的なストレスが複雑に絡んで起こっている可能性もあのではってことなんです。
どうやって診断するの?
特定の検査で「これだ!」と、原因がわかるわけではありません。
そのため考えられる病気を除外しながら診断していくのが一般的になっています。
- ノミの寄生や皮膚炎などの皮膚疾患があるか
- 甲状腺機能などのホルモンバランスはどうか
- 脊椎や関節に痛みがないかどうか
- ストレスがあるか無いか・生活環境の確認!
症状の動画を撮って下さると、診断の助けになることがあります。

治療法はあるの?
完治する薬はありませんが、症状をコントロールすることは可能です。
- 薬物療法:鎮痛剤、抗てんかん薬、抗不安薬などを組み合わせて使用
- 環境調整:猫にとってストレスの少ない空間づくりを行う
- 遊び・運動:適度な遊びでエネルギーとストレスを発散させる
- サプリメント:オメガ3脂肪酸や抗不安成分を含むものが補助になることも

まずは「その子に合った対処法」を探し出すこと、それが一番です!
予後は?
ローリングスキン症候群は、長〜く付き合っていくことになる病気です。
しかし薬や環境の見直しによって、発作がほとんど出なくなる子もいます。
- 発作が起こっても慌てずに見守る
- 落ち着いたらゆっくり撫でて安心させてあげる
まとめ
「うちの子、ちょっと変な動きするな・・・」
そんな時は猫ちゃんの発信する、SOSってことがあります。
ローリングスキン症候群は見た目は派手でも、命にかかわる怖い病気ではありません。
不安なときは、相談してくださいね。