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腎臓の検査で行う「UPC」とは?

UPC検査

わんちゃんや猫ちゃんの健康診断や腎臓病チェックでよく行われる検査のひとつに 「UPC検査」 があります。
一見むずかしそうな名前ですが、腎臓の健康状態を知るうえでとても大切な検査です。

UPC検査の仕組みや基準値、ほかの検査との関係についてわかりやすく説明するね。

目次

尿に「タンパク」が出るのは腎臓のサイン

腎臓は血液をろ過して老廃物をオシッコとして体外に出すフィルターの役割を担っています。
通常はタンパク質のような大きな分子はフィルター(糸球体)でブロックされるため、尿にはほとんど出ません。

ところが腎臓にトラブルが起きると…

フィルターが壊れる
尿細管が弱ってしまう

その結果、オシッコにタンパクが漏れ出してしまうのです。

オシッコにタンパクが出るってことは、腎臓の不調を知らせるサイン といえるんだよ。

UPC検査とは?

UPC = Urine Protein-to-Creatinine ratio(尿タンパク/クレアチニン比)。

尿に含まれるタンパクの量を「クレアチニン」という物質で割って数値化することで、尿の濃さや水分摂取量に左右されず安定した評価ができます。
では犬と猫の正常値はどのくらいでしょうか?

犬の場合

0.2 未満:正常
0.2~0.5:注意が必要(境界域)
0.5 以上:腎臓病の可能性

猫の場合

0.2 未満:正常
0.2~0.4:注意が必要(境界域)
0.4 以上:腎臓病の可能性

猫は犬よりも、やや厳しく判定されちゃうんだよ!

UPC検査でわかること

UPCが高いと、次のような病気が疑われます。

  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 糸球体腎炎(免疫異常による腎炎)
  • 腎盂腎炎などの感染症
  • 高血圧や心疾患に関連する腎障害

腎臓病は進行してから症状が出ることが多いんだよ!
だからUPCは、腎臓病の早期発見のカギ となってる検査なのね。

他の検査との組み合わせが重要

UPC単独では腎臓病の全体像はわかりません。以下の検査と併せて行うことが大切です。

1. 血液検査(BUN、クレアチニン、SDMA)

腎臓の働きを直接チェック。
UPCとあわせて「ダメージ」と「機能」の両面を評価できます。

2. 尿検査(比重・沈渣)

オシッコの濃さや細菌・血球の有無を確認し、感染症や炎症との区別に役立ちます。

3. 画像検査(エコー・X線)

腎臓の大きさや形を調べ、腫瘍や結石の有無を確認します。

UPC検査を受けるタイミング

  • 定期的な健康診断で
  • 7歳以上のシニア期に入った子
  • 腎臓病や心疾患の既往がある場合
  • 通常の尿検査でタンパクが出たとき

特に猫はさ、高齢になると腎臓病が非常に多くなってしまうのね。
だから早めのチェックが、長生きにつながるんだよ!

飼い主さんにできること

UPCが高くても、すぐに重度の腎不全というわけではありません。
大切なのは 「早く気づいて、早くケアを始めること」 です。

  • 定期的な健康診断を受ける
  • 水分をしっかり摂らせる
  • 獣医師の指示に従って食事療法や薬を続ける

日々の積み重ねが腎臓病の進行を遅らせ、健康寿命を延ば済んだよ。

まとめ

UPC検査は腎臓病の早期発見に役立つ重要な検査です。
そして血液検査や画像検査と組み合わせることで、腎臓の状態をより正確に把握できます。
「ずっと元気でいられる時間」を延ばすために、定期的な健康診断の一環としてUPC検査を受けていきましょう。