若山動物病院ブログ
歩き方が教えてくれる健康のサイン
本日の『ぷらむ倶楽部』は私の担当、題は『歩き方が教えてくれる健康のサイン』でした。
ヒトだけでなく、わんちゃん猫ちゃんも「歩き方の中には健康のサイン」が隠されています。
そうなんですよ!だから散歩や室内での動きから、体調をチェックすることができます。

何せ私たちは、カラダにトラブルがあっても言葉で伝えることができません。
だから歩き方の違いが「体調のメッセージ」になることがあるんだよ!
そこで歩き方のチェックポイントや、気をつけたい病気についてです!
歩き方が教えてくれる健康のサイン
歩き方を観察する意味
わんちゃん猫ちゃんは、カラダのどこかに痛みや不調があっても我慢強く、表情に出すこともあまりありません。
そのため飼い主さんの「小さな気づきが」が、病気の早期発見につながります。
例えば・・・
- いつもより歩幅が狭い
- 後ろ足がふらつく
- 前足をかばうように歩く
- 座るときに時間がかかる
- 階段の上り下りを嫌がる

このようなサインが、関節や筋肉、また神経や内臓のトラブルを示していることもあるんだよ!
歩き方に表れるサイン
関節の異常
歩き方でわかりやすいのが「関節疾患」です。
特にシニア犬や小型犬では、膝蓋骨脱臼や股関節形成不全、変形性関節症が多く見られます。
もし後ろ足をかばうような歩き方をしていたら、要注意です!
もちろん前足にも注意が必要です。
筋肉や靭帯のトラブル
運動後にびっこを引いたり、急に足を上げたままにして歩こうとしないときは、靭帯や筋肉の損傷も考えられます。
特に大型犬に多い「前十字靭帯断裂」には注意が必要です。
神経のトラブル
腰がふらついたり、後ろ足の爪を地面に擦って歩く場合は、椎間板ヘルニアや脊髄のトラブルを疑います。
特にダックスフンドやコーギーなど、胴の長い犬種はリスクが高いので要注意です。
猫は犬ほど長時間歩き回ることは少ないですが、それでも歩き方の変化には注意です。
また糖尿病の猫では、かかとを地面につけて歩くこともあります。
関節のトラブル
シニア猫では、関節炎による痛みで高いところに飛び乗らなくなる、段差を避けるようにな行動が見られます。
歩くときに腰を低くしたり、ぎこちない足取りの場合は、関節炎のサインってこともあります!
内臓のトラブル
猫では「歩き方がなんとなく変」「元気がない」というサインが、実は腎臓や心臓の病気につながっていることもあります。
動きが鈍くなったり、長く歩き続けられないときには注意しましょう!
観察のポイント
毎日の生活で次のような点に注目してみましょう。
- 歩幅:左右均等か?狭くなっていないか?
- 足の運び:引きずっていないか?爪を擦っていないか?
- 立ち上がり・座り方:スムーズにできるか?時間がかかっていないか?
- 表情:歩くときに顔をしかめていないか?呼吸が乱れていないか?
- 活動性:散歩を嫌がる、遊ばなくなるなどの変化はないか?

ちょっとした違和感でも、続いて見られる場合には病院で相談することが大切です。
飼い主さんにできること
体重管理
肥満は関節や心臓に負担をかけます。
また痩せすぎも、良いことではありません。
とにかく筋肉量を落とさないようにして、適正な体重に保つことが健康に保つ第一歩です。
足裏のチェック
肉球や爪が伸びすぎていないか、伸びた爪やトゲなどが刺さっていないか確認しましょう。
床の環境改善
滑りやすい床にはマットを敷いたり、爪をこまめに切ってあげると安心です。
定期健診
歩き方の変化は、病気の早期発見のきっかけになります。
定期健診やシニア検診を利用して、健康状態をチェックしておきましょう。
まとめ
犬や猫の「歩き方」には、健康のサインが隠されています。
飼い主さんが毎日の生活の中で小さな変化に気づくことが、病気の早期発見・早期治療につながります。
「いつもと違う歩き方をしているな」と感じたら、ぜひ動物病院に相談してください。
早めの対応が、ペットの快適で長生きな生活を守ることにつながります。