若山動物病院ブログ
健康診断で「まさかの発見」

動物病院では、日々いろいろな出来事があります。
その中にはチョット驚くけれど、最後には「良かったですねぇ〜」と笑顔になれる話もあります。
今日は、健康診断で偶然見つかった、ある「異物」の話です。
レントゲン写真に、白い影が・・
あるワンちゃんの、定期健康診断のことです。
体調は特に問題なし、元気はつらつ、食欲バッチリ、ウンチはモリモリ!
この子は若いのですが、いろいろな検査を望まれレントゲン撮影までも行いました。
すると・・・
お腹に、ポツンと白くて四角っぽい影が映っています。


あら・・・胃のなかに何か入ってるぞ!
しかも、大きい

結構〜硬そうなものですよね?
形は、ベーゴマみたいな感じ・・・
何かしら?
スタッフ一同で、再確認です!
このようにはっきりは映っているのですが、この異物が何であるかはわかりません。
飼い主さんの心配は何のその!ワンちゃん元気いっぱいです。
誤食は、特に若い犬に多い
実は、今回のような誤食は若い犬にとても多いんです。
落ちているものを、まず口に入れて確認
おもちゃや石、木のかけらをカミカミ
遊んでいるうちにパクッと飲み込んでしまう
実際には、飲み込もうと思ってじゃないんでしょうね!
気がついたら飲んじゃってた、そんな感じかもです!
特に子犬や若い子は、世界のすべてが興味の対象なんです!
しかも飼い主さんが気づかないうちに、思わぬものを飲み込んでしまうことが多々あります。
なんと2週間近くかけて
レントゲンで異物を見つけたときは「サイズや形によっては手術かも」と、慎重に考える必要があります。
しかし、この子は幸いにも食欲もあり、嘔吐もなく、ウンチもちゃんと出ていたのです。
腹痛なんてものもありません。
ただ腸閉塞になってしまう危険がある場合は、緊急手術も必要です。
しかし今回は、経過をみながら慎重に事を勧めたのです。
もし出なければ切って出すも、視野に入ってました・・・

1週間目・・・レントゲン写真で再度確認です。
胃からの出ることはなく、そのままの位置です。
やっぱり切るしかないのかな?!
そのようなことから手術計画をたてたのですが・・・
約2週間目、飼い主さんからの電話です!
お尻から、ウンチと一緒にコロッと出てきました!
黒くてゴツゴツした石が出てきたんです。
え、こんなものがお腹の中に?と、ビックリ!
お持ちくださった石を見で、スタッフ全員で思わず顔を見合わせたほどです。
しっかりとした、石です!

こんな硬いものを飲み込んでしまうなんて、犬の誤食の恐ろしさを改めて実感させられます。
でも危険な状態になることなく、自力で出てきてくれたのは本当によかった!
もちろんですが、腸には異常は見られません!
でも歯が割れていた
石が無事に出てきてホッとしたのも束の間。
よ〜く口の中を見ると、 歯が一本欠けている(破歯) のが見つかりました。
おそらく石をガリガリ噛んでいたときに歯に大きな力がかかり、欠けてしまったのだと思われます。
破歯は放っておくと痛みが出たり、感染して根尖膿瘍になったりすることもあります。
こちらも治療が必要になります。
誤食だけでなく「硬いものを噛む」ことによる歯のトラブルも、若い犬でよく見られる問題です。
「噛んでストレス解消」が大好きな子ほど、実は注意が必要なんです。
気をつけましょうね!
健康診断は「サプライズ検査」ではない
今回のように何も症状が無い状態でも、検査で思わぬ発見があることがあります。
健康診断は異常を見つけるための検査ではなく、「安心を確認する」「小さな異変を早くつかむ」ためのものです。
そして今回のワンちゃんのように、無症状の誤食を発見することも珍しくありません。
見つかるのが遅れれば腸閉塞になって緊急手術が必要だったかもしれないですよね。
同じようなことを防ぐためにできること
とはいえ、誤食は誰にでも起こり得るトラブルの一つです。
でも、ちょっとした工夫でリスクはぐっと下げられます。
◎ 散歩中は口元に注目
地面のにおいを嗅いでいるうちに、小石や落ち葉をパクッと食べる子がいます。
◎ かじるおもちゃは「柔らかめ」を
硬すぎるおもちゃや鹿角は、破歯の原因になりやすいです。
◎ 家の中の“誤食しやすい物”はしまう
子供のおもちゃ、ヘアゴム、スポンジなどは誤食の定番です。
◎ 若い犬ほど注意
子犬~1~2歳は、とにかくいろんなものを口で確認します。
どれも今日からすぐできることばかりです。
しかも「完璧にしなくちゃ」ではなくてOK
ちょっと気をつけるだけで、大きな事故を防げることがほとんどなんです。
まとめ
今回のワンちゃんは、
・誤食に気づかれなかったほど元気
・たまたま健康診断で発見
・腸閉塞にならずに自然にウンチと一緒に出た
という幸運が重なって大事に至りませんでした。
同時に、健康診断の大切さも教えてくれました。
健康診断って生活習慣病をチェックしているんですよ!
そこで何らかの結果が出たら、生活習慣を見直すことなんです。
だからこそ「うちの子は大丈夫」ではなく、元気だからこそ検査を受けることが健康寿命を大きく延ばしてくれるのです。
石が出てきてくれた日の、飼い主さんの笑顔は忘れられません。
そして、割れた歯の治療でまた元気に楽しく過ごしてくれることを願っています。