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若山動物病院ブログ

やさしくわかる「春の免疫ケア」

春の免疫

いぬのきもち2026年3月号では、「春の免疫ケア」について担当しました。
今回はその内容を、ポイントを絞ってわかりやすくご紹介します。

免疫ってなに?

免疫とは、体を守る「安全チーム」のようなものです。
ウイルス・細菌・腫瘍・ストレスなど、体に悪影響を与えるものからカラダを守る仕組みです。
この仕組みは、もちろんヒトにも犬や猫にも備わっています。

免疫の主な働きは、次のようなものです。

  • 侵入してきたウイルスや細菌を見つけて、体の外へ追い出す
  • 毎日できる体の小さな傷を修復する
  • アレルギー反応を適切に調整する
  • ストレスに負けにくい体の状態に整える

春はなぜ免疫が乱れやすいの?

このように大切な役割をもつ免疫ですが、春は特に乱れやすい季節です。

まず大きな理由が、天候と気温の変化です。
「寒い → 急に暑い → また寒い」といった変化が、短期間で繰り返されます。
その結果、自律神経が忙しく働きカラダのバランスが崩れやすくなります。
すると、免疫の働きも低下しがちになります。

さらに、春は紫外線量が増え始める季節です。
皮膚のダメージ修復に免疫が使われるため、カラダにとっては負担が増えます。

春といえば花粉症を思い浮かべる方も多いでしょう。
実は犬も人と同じように、花粉の影響を受けます。
皮膚のかゆみなどさまざまな症状が出やすくなり、免疫がフル稼働することで疲れやすくなります。

飼い主さんの変化も影響します

春は、飼い主さんにとっても変化の多い季節です。
仕事・学校・引っ越しなどで生活リズムが変わることも少なくありません。

犬は飼い主さんの変化にとても敏感です。
その影響を受けて、心身ともに不安定になりやすくなります。
こうした理由が重なり、春は体調を崩しやすくなるのです。

免疫ケアは「継続」が大切

免疫力は「一度上げればずっと続くもの」ではありません。

たとえば良い食事をしても、その効果は数日で薄れてしまいます。
ストレスや睡眠不足は、その日のうちに免疫を下げてしまいます。
腸内細菌のバランスも、日々変化しています。

つまり、免疫は毎日の小さな積み重ねで維持されるものなのです。

特に犬は環境の変化にとても敏感です。
だからこそ、「+1の小さなケア」を続けることが、健康寿命を延ばすポイントになります。

1の免疫ケア例

免疫ケアには、さまざまなアプローチがあります。

運動・遊びでできる+1免疫ケア
生活環境でできる+1免疫ケア
接し方でできる+1免疫ケア
その他にできる+1免疫ケア

無理なく続けられるものを選ぶことが大切です。

飼い主さんへ伝えたい「免疫ケアの本質」

❤️ 免疫は「がんばらせ過ぎないこと」が大切
免疫を無理に強くするよりも、免疫が働きやすい体の環境を毎日整えてあげることが重要です。

❤️ 小さな習慣の積み重ねが、病気の予防につながる
食事・散歩・睡眠・スキンシップなど、日々の積み重ねが大きな健康効果を生みます。

春は、犬にとって体も心も揺らぎやすい季節です。
「いつもと少し違うかも」「なんとなく元気がない気がする」
そんな小さな違和感こそ、体からの大切なサインかもしれません。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
早めに整えてあげることが、愛犬の健康を守るいちばんの近道です。