若山動物病院ブログ
もういくつねると
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
2025年も残すところ、あと4日となりました。
年末年始は、大掃除やお正月飾りの準備、親戚や友人を招いての集まりなど、いつも以上に生活環境が変わりやすい時期です。

人にとっては楽しい行事が続きますが、ワンちゃんや猫ちゃんにとっては、誤飲・誤食、体調不良、ストレス関連症状が増える傾向があります。
事前にリスクを知り、対策を行うことで、多くのトラブルを予防することができます。
誤飲・誤食予防の基本
誤飲・誤食を防ぐためには、以下を徹底することが重要です。
- 口にしてはいけない物は手の届かない場所に置く
- 出している間は目を離さない
- 使用後は速やかに片付ける
この基本が守られていないと、どんなに注意していても事故は起こります。
年末の大掃除で増える事故
大掃除では、普段使用しない強力な洗剤や掃除用品を使う機会が増えます。
ワンちゃん猫ちゃんは新しい物やにおいに強い関心を示し、舐める・噛む行動に出ることがあります。
- 洗剤使用中は可能であれば別室で過ごしてもらう
- 塩素系洗剤使用時は十分な換気を行う
- 塩素ガスは比重が重く、床付近に溜まりやすいため特に注意
- 換気のために開けた窓からの脱走事故にも配慮する
化学物質による中毒や呼吸器刺激は、少量でも症状が出ることがあります。
おせち料理・年末年始の食事トラブル
おせち料理は保存性を高めるため、塩分・糖分・脂質が高いものが多く、腎臓や消化器への負担となります。
一見安全そうな食材でも、人用に調理したものをワンちゃん猫ちゃんに与えることは控えましょう。
食べ物以外にも、注意しなければならないものがあります。
- タコ糸、串、楊枝
- 調理後のゴミ
- 飲み残したアルコール
これらは消化管穿孔や中毒の原因となるため、放置しないことが重要です。
ゴミ箱内も安全とは言えません。
環境変化によるストレス反応
帰省や来客、生活リズムの乱れは、ワンちゃん猫ちゃんにとって大きなストレス要因です。
静かに過ごせるスペースの確保、いつも使用している寝具や毛布を置くなど、その子にあった対策をとることで、自律神経への負担を軽減できます。
年末年始は、人の都合で環境が大きく変わりやすい時期です。
「何か起きてから」ではなく、「起きる前に防ぐ」意識が、ワンちゃん猫ちゃんの健康を守ります。
ご家族みんなで安心して新年を迎えられるよう、早めの対策を心がけましょう。