若山動物病院ブログ
「なんとなく変」という直感が命を守る

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【血管肉腫】は怖い
本日「今朝から元気がなく、散歩の途中で何度も座り込んでしまう」というワンちゃんが来院されました。
ごはんは食べるけれど、眼に力がないのよねぇ
いつもと明らかに何かが違う気がする!
一見すると「少し疲れているのかな?」と思ってしまいそうな感じでした。
しかし飼い主さんの抱いた「強い違和感」が、結果として大きな分かれ道となった、そんな話です。
診察で判明した「体の中の異変」
歯ぐきの色、呼吸、お腹の張り、心拍を確認したところ・・・
歯ぐきの色がやや白っぽく、触診でお腹に違和感がありました。
この時点で疑問を持ち、血液検査とお腹の超音波検査を行ったのですが・・・
【検査の結果】
- エコー検査: 脾臓にゴツゴツとしたシコリを確認し、そのうちの一個が破けた感じに。
- 腹水: お腹の中に溜まっていた液体を採取したところ、血液であることが判明。
- 血液検査: 貧血を確認。
これらのことから「血管肉腫」を強く疑い、飼い主さんに説明です。

血管肉腫は忍び寄る「サイレントキラー」
血管肉腫は、血管の細胞から発生する悪性腫瘍です。
特に脾臓や心臓にできやすいのですが、その初期には症状がハッキリせずわかりません。
しかし腫瘍が破裂すると大量の出血を引き起こすため、ショック状態に陥ってしまうこともあります。
今回は、まさに「倒れる一歩手前」の状態と言っても良いくらいでした。
もし今日「もう少し様子を見よう」と判断していたら、手遅れになっていた可能性が十分にあります。
「いつもと違う」は、立派な受診理由です
血管肉腫は、元気なときには非常に見つけにくい病気です。
しかし破裂する前に見つけることができれば、治療の選択肢は大きく増えます。
以下の項目に心当たりはありませんか?
- 散歩の途中で座り込む、休みたがる
- 歯ぐきの色が白っぽい(ピンク色ではない)
- なんとなくフラつくことがある
- 急にお腹がぽっこり張ってきた
- 7歳を過ぎたシニア期に入っている
こうした小さな変化を「気のせい」で終わらせないことが大切です。
検査の結果「何も無かった」を確認することも、立派な医療のひとつです。
当院では飼い主さんの「小さな気づき」を何よりも大切にしています。
少しでも不安を感じたら、迷わずご相談ください。