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ジェネリック(後発品)とは?

当院での腎臓病の治療を望まれる方の子の治療を始めて、3週間。
腎臓が悪くなった原因は心臓からだったそうで、心臓の薬を飲んでました。

こんな時に、すっごく悩むんです!
それは同じメーカーの薬を処方できないことがあるからです。
しかも今回の場合も、心臓の薬を他のメーカーに変えなくてはなりません。

このような場合、現在維持されている心臓の状態が悪化してしまわないか···
それが心配なのです。

そこで今回も飼い主さんと十分に話し合い、薬の交換の行うことになりました。
そして薬を全面に変更して2週間後の今日、腎臓の治療を始めるための検査を行ったのですが····
変更と言っても、後発品=ジェネリックから先発品にしただけですが・・・

実は心臓病から腎臓の働きが悪くなりやすく、また腎臓病から心臓の働きが悪くなりやすいことがわかっています。
つまり心臓と腎臓のどちらか一方にトラブルが起こると、他の方にもトラブルが起こってしまうのです。
このように心臓と腎臓の間に深い関係があるだけでなく、心臓の機能を改善させると腎臓の機能も改善することがあります。
だから薬選びは大切なんです!

皆さんご存知のように、このように薬には先発品と後発品=ジェネリックがあります。
先発品は多額の費用と長い年月を費やし開発されたため、値段が高くなってしまいます。
しかしジェネリックは開発費がかかりませんから、同じ成分の薬を先発品よりも安く作ることが出来るため安く販売もできます。

そのようなジェネリックは先発品と同じ有効成分を同じ量含有しているため、効き目も同じと言われています。
しかし、それがチョット違うんです!

薬として効果のある成分以外のものを「医薬品添加物」と言います。
つまり薬として効果のある成分は同じとは言っても、それ以外の成分である「医薬品添加物」が違うのです。

これには薬の形を作ったり、品質の安定や効き目を整えたりするモノなどがあります。
つまりこれらの成分が違うため「薬の有効成分は同じ」とは言っても、薬として全く同じ内容ものモノではありません!
そのため、薬の効果に違いが出てしまうことがあります。

例えば、エリスロシンドライシロップ10%

有効成分1g中 日局 エリスロマイシンエチルコハク酸エステル  100mg(力価)
添加剤クエン酸ナトリウム水和物、白糖、カルメロースナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、香料
薬の成分が100mgですが、添加物が混ざって総量が1g=1,000mgの薬になっています!

動物用の薬にはありませんが、ジェネリックでも「有効成分、添加物、製法などすべて先発品と同じ」ものもあります。
これを「オーソライズド・ジェネリック=AG」と言い、先発薬メーカーから許諾を得て作られた薬です。
この場合はジェネリックとは言っても先発品と全く同じ内容の薬にになるため、効果に変わりはありません!

もちろんジェネリックの中には、たくさんの良い薬もあります!
だから使ってみないとわからないことも、いっぱいあります。