若山動物病院ブログ
馬はオスとメスじゃ歯の数が違う
馬の歯って見たことあります?
奥歯を見ることは少ないでしょうけど、前歯を見たことはありますよね?
とっても前歯が大きくてギッチリ詰まって、目立つって感じですよね。
でも前歯と奥歯の間は、歯が生えていないんです。
しかも・・・・オスとメスでは歯の本数が違うんです!
ヒトは永久歯は32本ですが、馬はヒトよりも多くて「オスは40本でメスは36本」なんです。
つまりオスの方がメスよりも、4本も歯が多いんです!
それはオスには犬歯があり、メスには犬歯が無いことによります。
そもそも犬歯は、捕らえた獲物の肉を引き千切るために使います。
そのため犬歯は鋭く尖った形をしています。
しかし馬は草食動物であるため、前歯(切歯)で草を噛み千切り口の中に運び、大きな奥歯(臼歯)で草を擦り潰すようにして食べます。
じゃ〜なんでさ、馬に犬歯があるの?
それは敵と戦ったり、喧嘩の際に使うために必要だからだそうなんです!
武器として使うのに必要だったからなんですね!
しかも馬の歯は、乳歯から永久歯へと生え変わった後伸び続けるんです。
それは馬は葉っぱを擦り潰しながら食べるため、その際に歯も削れてしまうんです。
もしどんどん歯が削れてしまえば、歯が無くなってしまいます。
そうなると食べられず生きてはいけなくなるため、歯が伸び続けるようになったんです。
そのため食べやすいものを食べて歯の使い方が少なかったり噛み合わせが悪かったりすると、歯が伸びすぎたり変形することもあります。
ちなみ歯は、1年間に2mmから4mmも伸びるんだそうです!
それって凄くないですか?
歯を使いすぎたら、歯が削れ過ぎちゃうし!
歯を使わんかったら、歯が伸び過ぎちゃう!
どちらにしろ食べられなくなってしまうんだ・・・
【おまけの話】
馬の盲腸はとっても大きく、長さは約1メートルもあります。
また体積は約30リットルもあるんです。
これって500mlのペットボトル60本にもなります!
その理由は盲腸には食べた草を糖に変える微生物が大量に住む、生きていく上で重要な消化管だからなんです!つまり馬は盲腸が無ければ・・・盲腸の中に微生物が住んでいなければ、生きてはいけない動物なんです。