若山動物病院ブログ
形質細胞性口内炎
猫ちゃんが、口が痛いとのことで来院。
今までは痛み止めの注射を行なってたとのことである。
診るとと言うか、口の中を診ようにも口を開けることが出来ない。
相当、痛いらしいい・・・
そこで軽く鎮痛鎮静剤を使用してチェックしてみると、歯茎周りが真っ赤に腫れている。
しかも腫れているのは片方だけだが、周歯茎全周が脆くなっている。
粘膜は潰瘍となっており、触ると簡単に出血してしまう。
しかも化膿も起こしてしまっている。
これは重度の慢性の炎症が起きているとし、腫れている部分の粘膜組織の一部を摘出し腫瘍じゃ無いことを願い病理検査を行った。
その結果は重度の「慢性化膿性~形質細胞性炎症」で、腫瘍を疑う所見は無かったとにことでした。
つまりこの猫ちゃんは、「形質細胞性口内炎」!
この「形質細胞」とは、体内に細菌やウイルスが入ってくることで、免疫細胞の一種類が変化し作られる細胞です。
つまり形質細胞は体内に入ってきた細菌やウイルスを攻撃する「抗体」を作り出し、感染や病気の発生を阻止するように働きます。
今回の場合は・・・
歯周病を起こした細菌が歯茎や口の粘膜に慢性的に刺激を与え続けてしまい、それが原因となりその部位に形質細胞が増えることで腫れてしまったのです。
また猫エイズや猫カリシウイルス感染症が隠れた原因として潜んでいる可能性もあります。
まず化膿と痛みを抑えなくてはなりません。
そして慢性の刺激を与えている原因を取り除くために、歯科処置を行う必要があります。