若山動物病院ブログ
緊急の輸血
激貧血で起きることも出来ない初診の猫ちゃんが、来院しました。
貧血の原因はともかく、現在のヘマトクリットも10以下(健常値は30〜50)
1ヶ月も前から貧血だったとのことです。
酸素を運ぶ赤血球は少ないのが貧血ですから、貧血の期間が長いと脳や心臓などの働きにまで影響が出ます。
このままでは亡くなってしまいますので、輸血を行うことになりました。
このように猫ちゃんも血液が足りない場合には、輸血をすることがあります。
しかし動物にはヒトのような血液センターがありませんので、必要な血液は自分たちで準備しています。
猫ちゃんの血液は長時間保存することも難しいため、院内には献血ができる猫ちゃん(供血猫)を飼っています。
またドナー登録をお願いしている飼い主さんにご協力頂き、輸血をすることもあります。
ドナー登録は年齢や体重、健康状態など幾つかの条件があり、どんな猫ちゃんでもできるわけではありません。
ご興味のある飼い主さんは是非ともご相談下さい、お待ちいたしております!
ちなみ病院に住む供血猫は、交通事故に遭い体の骨が幾箇所も折れてたのを保護された猫ちゃんです。
体の中にはボルトがいっぱい入ってますが、今では普通に歩けるようになり普段の生活ができます。
もうご存知の方も多いかと思いますが「お菊」と呼ばれてる子が、その子です!
とっても性格が良く、来院の無い時間はケージの外に出て院内を歩きまわったり遊んでいます。
しかし今回の輸血では、お菊の血液は残念ながら不適合でした。
そのため急遽、献血できる猫を4頭ほど集まっていただき適合検査を行いました。
・もんど君
・陽君
・とら君
・よちこちゃん
ご協力を、ありがとうございました。
今回は体重が5キロの「よちこちゃん」から血をもらい、輸血しました!
輸血前までは立てなかった子が、輸血が終わると立つようにもなりました。
ただ貧血であった期間が長かったため、心臓などの臓器もダメージを受けているようなので回復することを祈ります!
猫の血液型
猫ちゃんの血液型は、ヒトとはチョット違います。
- ヒト:A型、B型、O型、AB型の4種類
- 猫ちゃん:A型、B型、AB型の3種類で、O型は存在しません。