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若山動物病院ブログ

避妊手術の必要性

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

当院では生後5〜6ヶ月を目安に避妊手術をおこなっています。
避妊手術は『予防を目的』とした手術で、卵巣もしくは卵巣・子宮を摘出することで性ホルモンが原因となっておこるさまざまな病気や問題行動を未然に防ぐことができます。

お腹の傷


〈 避妊手術で予防できる病気 〉

  • 性ホルモン性皮膚病

体内の性ホルモンバランスが崩れることにより、脱毛や脂漏症をおこしてしまいます。
多くの場合、卵巣嚢腫や卵巣腫瘍といった卵巣の病気に関連して生じると言われています。
発情期に一過性に見られる場合もあります。

  • 子宮蓄膿症

女性ホルモンの異常によって子宮の免疫力が下がって子宮内で細菌感染がおこり、膿が溜まってしまう病気です。
基本的に進行が早く多臓器不全をおこすと命の危険もあるため、緊急手術が必要になる場合もあります。

  • 卵巣腫瘍

悪性のものが多く転移性も高い腫瘍で、これといった症状がないため発見が遅れてしまう病気の1つです。
排卵を繰り返すたびに卵巣表面が傷つき、ダメージが蓄積していくことで発がんしてしまうと考えられています。

  • 子宮腫瘍

子宮にできる腫瘍の約9割は平滑筋腫という良性腫瘍で、残り1割は悪性の平滑筋肉腫で子宮がんは稀と言われています。
しかし、子宮腫瘍から子宮蓄膿症を続発することもあるので注意が必要です。

  • 乳腺腫瘍

犬では50%、猫では90%が悪性のがんで肺への転移率が高いとされています。
避妊時期によって発生率に違いがあり、早期に避妊手術をすることで発生率を限りなく0に近づけることができる病気でもあります。

犬の場合の予防効果:

初回発情前99.5%
1回発情後92.0%
2回発情後74.0%
4回以上もしくは2.5歳以降0%

猫の場合の予防効果:

6ヶ月齢以下91%
7〜12ヶ月齢86%
13〜24ヶ月齢11%
24ヶ月齢以降0%


避妊手術は必ずしなければならない手術ではありませんが、その子の将来を考える上でとても重要な選択になります。
病気の予防についてもそうですが、忘れてはならないのが「災害時の同行避難」について。
自治体によってルールは異なりますが避妊手術をおこなっていないと同行避難ができない場合があり、環境省が出している「災害時における救護対策ガイドライン」でも同行避難のマナーとして避妊手術が勧められています。

いつまでも健康的で元気に過ごして欲しいからこそ、しっかりと考えてあげる必要があります。

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