若山動物病院ブログ
脱水とは体液の喪失だよ
これからの時期、天候も良くなり屋外に出る機会も多くなります。
その際に気をつけないといけないのが、脱水です。
しかも脱水は気温の暑さ寒さに関係なく、どのような状態でも水分の補給が少ないと起こります!
今回は内容的にチョット難しいかもしれませんが、カラダの中の水分についてです。
水分について
動物のカラダは「水分」でできており、その「水分」を一定に保つことで生命を維持することができます。
このカラダを満たしている水分を「体液」と呼び、「体液」には大きく「細胞内液」と「細胞外液」との二つがあります。
細胞内液
「細胞内液」は細胞の中に含まれる水分のことで、エネルギーを生み出したりタンパク質の合成などに関わっています。
この「細胞内液」は「細胞外液」より約2倍も多くカラダの中に存在しており、万が一「細胞外液」が減った場合には「細胞外液」を補う働きもしています。
細胞外液
「細胞外液」は、「管内液」と「管外液」の二つに分けられています。
「管内液」は管のなかを流れる液体を指し、これには血管を流れる血漿、リンパ管を流れるリンパ液、脳内を流れる脳脊髄液などがあります。
また「管外液」は管の中を流れていない液体を指し、「組織液」とも言います。
「組織液」は動脈側の毛細血管から滲み出した血漿で、細胞に栄養などを供給するとともに老廃物を受け取った後に静脈側の毛細血管に戻ります。
このように「細胞外液」は循環血液量を維持したり、カラダの隅々まで栄養素や酸素を運んだり老廃物などを運び出す働きをしています。
脱水について
水分(体液)はカラダにとって大切なもので、もしカラダの中の水分量が減ってしまうと様々な不調が起こります。
このカラダの中の水分が失われ、必要な水分と電解質が不足している状態が「脱水」です。
また脱水から日常生活や生命維持に障害を生じた状態を「脱水症」と言います。
「脱水症」になるとカラダに必要な栄養素や酸素を、カラダの隅々まで届けることができなくなります。
またカラダにとり不要な老廃物を体外に捨てることまでもができなくなります。
そのため脱水の状態によっては、生命を維持することさえも危険になってしまいます。
軽度の脱水症状
喉の乾き
口の中の乾燥
皮膚のかさつき
皮膚の弾力が落ちる
中等度の脱水症状
吐き気
血圧が下がる
ふらつき
オシッコの量が減り濃くなる
重度の脱水症状
喉の渇きが減る
痙攣
失神
臓器に重度の障害
昏睡
死亡
脱水を起こすのは暑い夏に多いようにも思いますが、実際には湿度の低い冬でも皮膚から失われた水分、つまり皮膚が乾燥することにより脱水傾向になってしまいます。
脱水状態になると喉が渇き水が欲しくなりますが、そうなる前に意識して水分補給をこまめにして脱水を防ぎましょう!
脱水症とは、体の機能を維持するために不可欠な体液が不足している状態のことをいいます。
体液は水分・リンパ液・組織液などから構成されており、栄養を体中に運ぶなど生命を維持するために重要な働きをしています。
そして体液のバランスは、オシッコなど体外へ排出される水分量・塩分量と、体内に補給する水分量・塩分量が一定に保たれることで維持されています。
しかし下痢や嘔吐などの体調不良により体外に出ていく水分が増えると、体液のバランスが崩れ脱水症状が引き起こされます。