若山動物病院ブログ
抗生剤と抗菌剤
膀胱炎や皮膚炎など細菌感染を治療する際には、薬が処方されます。
日常の診療を行う上でも、「抗生物質」は良く使われる薬の一つです。
「抗生物質」のことを「抗生剤」と言うこともあります。
どちらかと言うと、お医者さんが説明する際に「抗生剤」と言うことが多いかも知れません。
中には「抗生物質」の方が正しいと言うお医者さんもいますが、私としてはどちらでも同じと思っています。
そんな「抗生物質」ですが、教科書では「抗菌薬」と書き表されています。
実は「抗生物質」と「抗菌薬」には、違いがあります。
ただ日常の診療においては、お医者さんも獣医師も、また患者さんも飼い主さんも「抗菌薬」という言葉は使いません。
ほぼ「抗生剤」とか「抗生物質」と言います。
では「抗生物質」と「抗菌薬」の違いって、いったい何なんでしょうか?
「抗菌薬」とは細菌を殺したるり、細菌が増えるのを抑えたりする薬のことを言います。
その中でも細菌や真菌などの微生物からつくられたモノを「抗生物質」と言います。
あの有名な「ペニシリン」は、青かびから作られた抗生物質です。
つまり「抗生物質」は「抗菌薬」の一つになります。
そして「抗菌薬」には、人工的に作られたモノもあります。
我々が使っている「バイトリル」や「ビクタス」などは抗菌薬です。
インフルエンザなどのウイルスには、抗菌薬を使っても全く効果ありません。
そうなんですよ!
ウイルスには抗ウイルス薬を使用しないと、ダメなんです!
抗菌薬は、細菌をやっつける薬。
抗ウイルス薬は、ウイルスをやっつける薬。
猫のヘルペスに、抗菌薬を使っても治らないと言うことなんです。