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ウンチのPRO?

ウンチのPRO?

「ウンチの事を語らせたら、何時間でもOK」
そんなイメージが固定してしまっているかのように、「いぬのきもち8月号」の依頼は「吐いたもの・ウンチ・オシッコの見極め方」でした。

実際にウンチは、とっても奥深いものなんです。
だってウンチを漢字で書くと「便」ですよね?

そうなんです!
ウンチは、口から肛門までの情報を伝えてくれる「お便り」なんです。

実際に、その情報は多大!
「腸内フローラ」について研究も進み、驚かされる情報も多数出てきています。
でも、まだまだカラダの中には未知の部分があるんですよね!

腸内フローラとは

腸内の中の住む多種多様の細菌が、菌種ごとに塊となり腸の壁にビッシリと張り付いています。
この細菌の様子がお花畑(flora)のように見えることから「腸内フローラ」と言われるようになりました
「腸内フローラ」は「腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう」とも言われます。

腸内フローラは、細菌のバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしています。
また腸内の免疫細胞を活性化し、ウイルスや細菌などからカラダを守る働きもしています。

腸内フローラは「善玉菌:2・悪玉菌:1・日和見菌:7」の割合となっています。
腸内細菌の7割を占める日和見菌は、善玉菌が優位であれば発酵を手伝います。
しかし腸内で悪玉菌が優位となれば、悪玉菌になびき腐敗を手伝います。

悪玉菌は悪さをするようなイメージがありますが、良いこともします。。
例えばタンパク質を分解し、ウンチとして排泄するという働きもしています。
まぁ悪玉菌もカラダには必要な菌なので、日和見菌を悪玉菌になびかせないよう善玉菌の味方につけておく事が大切なんです。

ウンチの中身

食べたものは胃や腸で消化・吸収され、ウンチとして肛門から出てきます。
そのためウンチは「食べ物のカス」と思われがちです。

しかし実際は、ウンチから水分を除いた残りの3分の1程度が「食べ物のカス」なんです。
残りの3分の2は、「剥がれ落ちた腸の粘膜や腸内細菌とその死骸」なんです。

ヒトのウンチの水分量は70~80%だと言われてますから、食べ物のカスは7~10%程度しか無いって事なんです。
そうなんですよ、「剥がれ落ちた腸の粘膜や腸内細菌とその死骸」は「食べ物のカス」の2倍もの量がある、つまり14~20%が腸の中の情報なんです。

腸の中は見えないけど、腸の状態はウンチに現れてきます。
まずは腸の健康状態を知るには、ウンチの色や硬さ、ニオイなどです。
発熱、吐き気、また体重やお腹の痛み、腸の運動する音などの体調も併せてチェックします。
もちろん顕微鏡で検査をしますし、消化障害や吸収障害なども調べます。
場合によっては、ウンチを検査センターに出す事もあります。

とにかくウンチを知る事が、健康を良い状態にする重要な鍵になります。