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若山動物病院ブログ

食道炎

食道炎

急な胸の痛み、しかも胸の真ん中・・・
あららら、またか?
これで3回目。

最初の時は狭心症か心筋梗塞かと焦ったのですが、それが大きな間違いでした。
ちなみ狭心症とは心臓に酸素を運ぶ血管が詰まりかけているなどトラブルが起きてしまい、心臓が酸欠になった状態です。
また心筋梗塞とは狭心症が進んだ状態で、血管が完全に詰まってしまった状態で、どちらも胸に激しい痛みなどに襲わます。

何と間違えたかと言うと、逆流性食道炎です。
この逆流性食道炎とは、文字のごとく胃酸が食道に逆流することにより起こります。

口から肛門までは、一方通行なんです。
だから、元々カラダは逆流しても良いような構造にはなっていません。
つまり食道の粘膜は、胃酸に対して無防備な作りなんです。
そのため胃酸が逆流してくると食道の粘膜が炎症を起こしてしまいその結果痛みを出してしまうのです。

逆流性食道炎って、ヒトでは2割の方たちが罹ってるとも言われているそうです。
原因は下部食道括約筋という、胃の入り口と言うか食道と胃のつなぎ目にある筋肉の緩みです。
この筋肉は胃の中身が食道に逆流しないように、必要な時以外はしっかりと閉じています。
しかし加齢などの原因により緩みが出てしまうと、胃から食道へ逆流が起こってしまうのです。

実は猫に、この食道炎が思った以上に多いんです!

猫って、良く吐きませんか?
食べたフードを吐く
毛玉を吐く
猫草食べて吐く

結構、頻繁に嘔吐を繰り返しますよね!
それが原因で、食道炎に炎症を起こしてしまうことが多いんです。

猫草食べてる猫が、食欲が落ちてしまった・・・
そんな時は、一番に食道炎を疑っちゃいます。

まぁ実際には、食欲が落ちたら即食道炎とは言えません。
でも吐く事が多い=食道に炎症が起きている確率は高いと思うのです。

食道炎を起こすと、フードや水が食道を通る時に不快感や痛みを感じてしまいます。
また胸に痛みを感じてることもあるでしょうね。

お腹が減っても、食べたく無い。。。
それって可哀想ですよね?

治療は・・・
吐かせないこと
胃酸の分泌を抑えてあげること
食道の粘膜の修復と保護をしてあげること

食道炎に炎症を起こしているだけならまだしも、食道が狭くなったり拡張してしまうこともあります。
猫は吐きやすい動物だから、吐くのは普通のことと思わない方が良いですよ!