佐倉市の動物病院なら若山動物病院|セカンドオピニオン対応

若山動物病院ブログ

原因は…

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

今日は14歳のワンちゃんの歯科処置がありました。

この子は以前から歯周病による口腔内トラブルがあり、今までに何度も頬が腫れて穴が開いてしまうということを繰り返していました。
抗生剤を飲むと口腔内の状態は改善して頬の腫れや穴も塞がりますが、抗生剤をやめて時間がたつと再び頬が腫れてきてしまうので根本的に治療したいということで歯科処置をすることに。

頬が腫れるということは歯周病菌が歯の根元まで入って悪さをしているサインなので、まずは歯周病菌を減らす治療から始めて歯周病菌が少なくなったところで歯科処置をおこなっていきます。

口の中を細かく見てみると全体的に歯肉の腫れと歯石があり、一部の歯では歯肉が退縮してしまい、露出した歯の根に歯石がついてしまっている場所もあります。

歯科処置
歯科処置前の口腔内

歯肉が退縮してしまっている歯を触ると簡単にグラグラと揺れ、歯根周辺の組織が壊れてしまっているのがわかります。 
歯根周辺の組織が壊れてしまっていると元に戻すことは難しいため、重度の場合には抜歯をおこないます。
今回抜いた歯を確認すると、いくつかの歯が根元部分で折れているのがわかりました。

破折
根元部分が折れていた歯

何らかの原因で歯が折れたり割れたりしてしまうことを『破折(はせつ)』と言います。
破折は痛みをともない、放置すると感染症や健康に大きな問題を引き起こす可能性があります。
目に見える部分で破折をおこすこともありますが、破折部位は歯石がとてもつきやすいために発見しづらいこともあります。
また今回のように根元部分で破折をおこしているとさらに発見が難しくなってしまいます。

口腔内の健康は全身へ影響を与えるとても重要なものです。
定期的に歯科検診を受けてお家の子の口腔内を把握するとともに、適切なケアおこなって健康を守りましょう。

破折については『Dr.Nyanのすこやかコラム』で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。