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若山動物病院ブログ

夏の皮膚

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

気温が高く湿気でジメジメする夏は皮膚トラブルをおこしやすい季節です。
年々増加傾向にある皮膚疾患は今や罹患率第一位を記録しています。
しかも今年は皮膚疾患の動向が今までとは違う!
昨年までは5月頃から皮膚トラブルをおこす子が多くなっていたのに対して、今年は2月頃から数が増え、湿度の高くなってきた6月頃から急激に症状が悪化する子が多いです。
そこで今回は『夏の皮膚』についてちょこっとだけお話します!

麦わらのシロ
目次

冬と何が違うの?夏の皮膚

冬は気温も湿度も低くなるため空気が乾燥し、皮膚の水分や油分も蒸発しやすくなるため皮膚が乾燥してしまいます。
夏は気温も湿度も高いため皮脂の分泌が盛んになり、皮膚の水分と油分のバランスが崩れてしまいます。
そのため皮膚表面は皮脂でベタベタしているのに皮膚の内側は水分が不足して乾燥した『インナードライ』という状態になってしまいます。

つまり、夏と冬では皮膚の乾燥状態が違うのです。

それだけじゃないよ、夏の皮膚

皮膚の水分・油分のバランスが崩れると皮膚のバリア機能は低下してしまいます。
バリア機能が低下した皮膚は外部からの刺激に弱くなり痒みや赤みが出てしまったり、皮脂でベタついた皮膚で繁殖した細菌に負けて湿疹ができてしまったりとさまざまな皮膚トラブルを引きおこしてしまいます。
しかし夏の皮膚トラブルの要因はそれだけではありません。

その1:紫外線

紫外線は皮膚表面に炎症を起こしたり皮膚内部の組織を破壊したりと皮膚に大きなダメージを与えます。
また紫外線は皮脂を酸化させて皮膚表面のバリア機能を低下させてしまうことも。

この時季は暑さ対策としてサマーカットをする子も多くいますが、皮膚表面を覆う被毛は日傘の役割もしています。
そのためサマーカットをすることで紫外線が皮膚にあたりやすくなってしまうので注意が必要です。

その2:冷房

夏のジメジメを解消するために冷房は必要不可欠です。
しかし湿度を下げすぎると皮膚の水分は失われやすくなり、乾燥の悪化につながります。
また冷房の冷たい風によって皮膚表面が冷えて血流が悪くなってしまうと皮膚に必要な栄養素が届きづらくなり、皮膚のターンオーバーが乱れてトラブルをおこしやすくなってしまいます。

その3:間違ったケア方法

夏はどうしても皮脂分泌量が増えるためにベタつきやニオイを感じやすくなり、シャンプーの時にゴシゴシと洗ってしまいがちに。
しかしゴシゴシ洗ってしまうと皮膚の潤いを保つために必要な皮脂まで洗い流してしまったり、皮膚を傷つけたりしてしまい、乾燥や炎症がすすんで皮膚トラブルを引きおこしてしまいます。

また皮膚がベタついているからと保湿を怠ってしまうと、水分不足によって乾燥している皮膚はそれを補おうとさらに皮脂を分泌するためベタつきの悪化につながります。

夏の皮膚ケア

夏の皮膚を健康に保つためには乾燥対策と皮脂のコントロールが重要です。

乾燥対策には保湿が一番!
シャンプー後には必ず保湿をするようにして皮膚のバリア機能を回復するようにしましょう。
また冷房の冷たい風や紫外線が皮膚に直接あたるのを防ぐために洋服を着るのもオススメです。

皮脂のコントロールにはシャンプーが一番!
皮膚の状態に合ったシャンプー剤を選び、適切な方法でシャンプーをおこなうことで皮膚に負担をかけず不要なものだけ取り除くことができます。

シャンプーロイス

夏を快適に過ごすためにも皮膚の状態を見極め、お家の子に適したケアをおこなってあげましょう!