若山動物病院ブログ
髄外性形質細胞腫
歯茎に、赤い腫れモノが出来ちゃいました・
最初は歯周菌などが原因の、慢性の刺激によるモノかとも思ったのですが・・・
それにしても、赤っぽいし出血しやすいんです。
そこで、この腫れモノが何モノであるかを知るために組織検査を行いました。
その結果は「髄外性形質細胞腫」でした。
骨髄外の軟組織に発生した形質細胞腫を、髄外性形質細胞腫と言います。
軟組織とは各種臓器と骨を除いた部分で、皮膚や筋肉、腱や靭帯、脂肪などカラダの組織の中でいわゆる柔軟なものを言います。
形質細胞腫は形質細胞や骨髄腫細胞が、骨や軟組織で作ってしまう腫瘍です。
そんな形質細胞とは免疫細胞であるリンパ球の仲間であるB細胞が変化した細胞で、カラダの中に侵入した細菌やウイルスを攻撃する「抗体」を作り出します。
しかし形質細胞に異常が起こると、骨髄内に特異なタンパク質が溜まり血液や腎臓など様々な臓器に悪さをするようになります。
形質細胞の腫瘍には、良性と悪性のものがあります。
髄外性形質細胞腫は比較的希な腫瘍で,その多くが口の中や鼻腔、副鼻腔、咽頭や喉頭に発生します。
今回は歯肉に出来てしまった髄外性形質細胞腫でした。
良性でしたが、一般的には手術で広範囲に切除すれば問題はありません。
しかし今回は歯肉に出来てしまってますので、完全に切除が出来ていない可能性もあります。
そのため再発には注意が必要となりる腫瘍です。