若山動物病院ブログ
舌に出来た肉芽組織
魚を食べたら具合が悪くなって、食欲も落ちた。
そのようなことで来院した、猫ちゃんです。
その原因はとチェックしたら何と口の中に、と言うか舌の上に腫瘍が出来てました。
しかも結構奥にあって、喉を塞ぐような感じです。
そのため飲み込みづらかった、と言うか上手く飲み込めなかったんでしょうね。
食べるのに不都合だし、病理検査も行う事なので除去する事になりました。
猫の口の中の腫瘍は悪性が多く、しかも多いのは「扁平上皮癌」とも言われます。
ただ舌の上には、あまり出来ないとも言われるのですが・・・
これって、何でしょうね?
症状は、食欲以外には何もありません。
もし悪性の腫瘍だったら、舌を切ってしまうことにもなりかねません。
そこで舌に腫瘤を切除して、組織の検査を行いました。
その結果は・・・「慢性炎症を伴う肉芽組織」でした。
「肉芽組織」とは外傷や炎症で失った部分にできる新しい組織のことで、毛細血管に富んで赤みを帯びています。
つまり肉芽組織とは、損傷した組織を修復する組織です。
ただ炎症が長引いたりなどして治りが悪い場合には、状態の良く無い肉芽組織となってしまいす。
この状態になると赤みが薄く、むくんだ肉芽組織となってしまいます。
これを「病的肉芽」と言います。
切除した腫瘤は、炎症細胞が多数見られるため慢性の状態となり組織が過剰に作られてしまったモノで、病的肉芽でしたが悪性のモノではありませんでした。
炎症を起こしている原因までもが取り除かれていれば、良いのですが・・・
もし取り除かれていない場合には、再度肉芽組織が盛り上がってきてしまいます。
肉芽組織が舌の真ん中、しかも奥に出来た原因は何でしょう?
その原因を考えると頭に中がグルグルしてしまいますが、再発が無いことを祈ってます。