千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

現在、台風７号が強い勢力を維持したまま千葉県へ接近しています。
台風の影響を最も受けるのは１６日（金）で大雨や暴風雨になるおそれがあると予報が出ています。
暑い時期の台風で思い出されるのは、２０１９年９月に千葉県を中心に甚大な被害を出した「令和元年房総半島台風」
この台風の影響で千葉県では約６４万戸が停電、９１人が重軽傷を負い、８人が亡くなりました。
最近は南海トラフの巨大地震について連日報道され、千葉県でも海沿いの１８市町村が「南海トラフ地震臨時情報」の対象地域となっているなど、決して他人事ではありません。

今日はそんな“もしも”の時のために事前にやっておいた方がいいことをご紹介します。

避難場所を確認しておく

災害が発生した場合、状況によっては自宅からの避難が必要になることがありますが、事前に避難場所を知らないとスムーズな避難行動は取れません。
その時に避難場所を調べようとしても自治体のホームページにアクセスが集中したり、停電などによりテレビやネットが繋がらず情報が遮断され、どこに避難すればいいのかわからなくなる可能性があります。
また自治体によってはワンちゃん猫ちゃんと一緒に避難所へ行ける『同行避難』ができるところもあり、それも合わせて確認しておきましょう。

環境省が出している「災害時における救護対策ガイドライン」に同行避難に関する説明があります。
佐倉市が出している「防災ガイドブック」には佐倉市における災害対策やハザードマップが掲載されています。

基本的なしつけと健康管理をしておく

避難所にはワンちゃん猫ちゃんなどの動物が苦手な方もいますし、他の避難者さんが連れてきた動物もいます。動物によるトラブルを防ぐためにも普段から基本的なしつけや健康管理をおこなっておきましょう。

• 定期的にワクチン接種やノミ・ダニ・フィラリアなど寄生虫の予防をしておく
• 「待て」「おすわり」などの簡単なコマンドや無駄吠え・トイレなど基本的なしつけをしておく
• 人や他の動物、自宅以外の環境に慣らしておく
• ケージで落ち着けるようにしておく

避難セットを準備しておく

災害が発生した時には停電や断水が予想されます。
避難セットは人間の物だけでなく、ワンちゃん猫ちゃんの物も忘れずに準備しておきましょう。

優先順位１：ワンちゃん猫ちゃんの健康や命に関わるもの

• フード、水、薬（少なくとも５日分、できれば 7 日分以上）　
• キャリーバッグやケージ
• 予備の首輪、非伸縮性リード
• ペットシーツやトイレ用品（猫ちゃんの場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部）
• 食器

優先順位２：情報

• マイクロチップの装着
• 飼い主の連絡先とワンちゃん猫ちゃんに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報
• ワンちゃん猫ちゃんと一緒に写っている写真（携帯の充電が切れることを想定して現物用意が望ましい）
• ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

優先順位３：ペット用品

• タオルやブラシ
• ウェットタオルや清浄綿
• ビニール袋（排泄物の処理などにも使用するため多めに用意）
• お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
• 洗濯ネット（猫ちゃんの場合は屋外診療・保護の際に有用）
• ガムテープやマジック（補修やワンちゃん猫ちゃんのための注意喚起など多用途に使用）

近年では避難指示が発令されるほどの猛烈な台風や大雨・地震などの自然災害が毎年発生しています。
災害はいつどんな形でおこるかわかりません。
いざという時に慌てず家族みんなの安全を確保できるように、普段から災害への備えをしておきましょう。