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免疫介在性溶血性貧血

免疫介在性溶血性貧血

免疫介在性溶血性貧血で、ステロイドや免疫抑制剤、またガンマガードや輸血を行っても症状が進んでしまうワンちゃんが10日ほど前に来院しました。
何をしても効果が無く、輸血も2回目を行ったそうです。

輸血を行っても、赤血球は壊れ続けるために根本的な治療にはなりません。
しかも1回目の輸血の効果は5~6日、虚しくも貧血の状態へと戻ってしまったそうなんです。

目次

ガンマガードとは

様々な薬剤や輸血などの治療を行っても症状が改善せず、貧血の進み具合が速い場合に免疫抑制効果を目的に使われます。
そのため免疫介在性溶血性貧血の治療に使われることもあります。
ただチョット高価で、場合によってはアレルギー反応を起こしてしまう事もある薬です。
しかし今回の場合には、残念ながら効果が無かったそうです。

そのような子に対して、1週間前に「幹細胞療法」を行いました。
そして今日は、効果の判定のための来院でした。

免疫介在性溶血性貧血(IMHA)とは

元々カラダに備わっている免疫機能が悪さして、自分で自分の赤血球を攻撃し壊してしまう病気です。
つまり自分自身の赤血球に対する抗体を作り、自分の体を壊してる訳です!
その結果、貧血になってしまうという「自己免疫疾患」です。
そのため「自己免疫性溶血性貧血」と言うこともあり、女の子に多いとされています。

1週間後の結果ですが、赤血球数も約1.5倍に増えました。
ヘマトクリット値は「19.230.1」へと大きく改善し、輸血をした時と同じくらいの効果が認められました。

ヘマトクリット値とは

血液の中に占める赤血球の割合(%)のことです。
ヘマトクリット値は赤血球数とヘモグロビン濃度(血色素量)とあわせて、貧血の指標のとなっています。

このように幹細胞には「免疫介在性溶血性貧血」に対しての治療効果があります。
これは幹細胞の持つ「免疫調整作用」によるものですすが、ただ完全に赤血球の破壊を止めたかは分かりません!
しかし今使用している、ステロイドや免疫抑制剤の使用量が減る事を期待します。

症状

貧血です!
そのため健康であればピンク色をしている歯茎や舌の色が、白っぽく見えることがあります。
貧血から、食欲や元気が無くなったり動きが悪くなったりとかします。

場合によっては黄疸と言って眼や皮膚が黄色っぽく見えたり、血液の含まれる血色素がオシッコの中に出て来て血尿のように見えることもあります。

原因

まだはっきりとわかっていません。
遺伝や感染、薬剤や腫瘍などが原因となっている可能性もあります。
また猫では猫白血病ウイルスやヘモバルトネラの感染が、原因となっているのではともされています。

治療

一般的には薬で免疫機能を調節することが一番に選ばれ、ステロイドや免疫抑制剤が使われます。
貧血が進むと輸血を行ったり、酸素室に入ったりも必要になります。
治療期間も長く治っても再発も多く、しかも死亡率も高いため適切な治療と定期的な検査を必要とする病気です。
幹細胞療法も、一つの治療方法です!

幹細胞療法は、多くの動物病院が行っている治療方法ではありません。
今回の治療効果が得られない事に耐えられず、飼い主さんがネットで探して来院されてます。

幹細胞療法にご興味のある飼い主さんは、ご相談ください!