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猫の着地術

猫の着地術

こんにちは。

千葉県佐倉市『若山動物病院』の松田です。
猫は背中からは落ちないということは有名ですよね、これが指すものは、一般的には「立ち直り反射」または「立ち直り反射反応」として知られる現象です。

今回はこの立ち直り反射についてお話しします。

猫の着地術
  • 反射のメカニズム

立ち直り反射は、猫が落下中に自分の体を素早く正しい位置に戻し、足から着地する能力です。この反射は、猫が落下の途中で体をひねり、頭と体を回転させて足を下向きにすることが出来ます。これにより、猫は高い場所から落ちても足から安全に着地することができ、怪我を最小限に抑えることができます。

  • 反射のステップ

猫が落下を感知すると、まず頭を正しい位置に向けます。これが体の他の部分の動きを決定する基準となります。 
次に猫は非常に柔軟な背骨を持っており、前半身と後半身を独立して回転させることができます。頭が正しい方向を向いた後、背中の上部を回転させ、前足を下向きにします。
次に、背中の下部を回転させ、後足を下向きにします。この一連の動作により、猫は体全体を地面に対して正しい位置に整えます。
最後に、着地直前に猫は足を広げ、体のバランスを取るとともに衝撃を分散させます。

  • 優れた平衡感覚

猫の耳の内耳には、平衡感覚を司る半規管があり、これが空間における猫の位置を感知します。この感覚と猫の筋肉の連携により、立ち直り反射が非常に効率的に機能しています。

  • 着地の限界

この優れた着地にも限界はあります。この反射のおかげで高いところから落ちても怪我をしにくいですが、落下の高さがあまりに低すぎると体をひねる時間がないため、この反射がうまく働かないことがあります。また、高すぎる場合も、着地の衝撃が大きすぎて怪我をする可能性があります。

この能力は猫が生き延びるために進化した非常に重要な能力であり、その優れた運動能力と組み合わせることで、猫は非常に高い場所でも比較的安全に移動することができます。

それではまた!