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若山動物病院ブログ

免疫介在性溶血性貧血 2

免疫介在性溶血性貧血 2

3週間前に幹細胞を移植した、免疫介在性溶血性貧血の仔のチェックが行われました。

この病気は免疫の異常活動により、赤血球表面に作られた抗体により赤血球が壊れ起こります。
犬では原因がわからない、特発性のものが多いと言われています。
猫では少ない病気とされてますが、犬では割と多いとされています。

症状は貧血ですから、粘膜が白くなったり疲れやすく動きが悪くなります。
一般的な治療は、ステロイドやシクロスポリンなどの免疫抑制剤を使います。

発症すると症状の進みが早く、治療が遅れると重度の貧血となります。
また場合によっては亡くなってしまう事もあります。

本日の検査では、ヘマトクリット値が40.0%まで上がりました
幹細胞移植時には 19.2%
移植後1週間目が 30.1%
でしたので、その効果はハッキリと認められました。

そもそも、幹細胞療法と言う治療方法を知らない方が多いのが現状です。

動物の体の中には、幹細胞と言う細胞が存在します。
幹細胞は免疫機能を調整したり自己治癒力を持ち、様々な器官や臓器に変化します。
この幹細胞を培養で増やし体内に移植する事が出来れば、治らない病気や怪我に対する治療の選択肢の一つとなります。

このような治療方法を、幹細胞療法と言います。
そして幹細胞療法は新たな治療法として、多くの動物病院で行われるようになってきています。

当院でも犬の皮下脂肪由来間葉系幹細胞を用いた最新の方法で、免疫介在性溶血性貧血の治療を行っています。

免疫介在性溶血性貧血に対しての治療効果は、このように眼に見えるように早いのですが、そうはいかないものもあります。

例えば、猫の慢性腎不全の場合です。
そのため、重度の腎不全を起こす前に治療を開始する必要があります。

幹細胞治療をご希望の飼い主さんは、ご相談ください!