若山動物病院ブログ
痩せた糖尿病の猫ちゃん!
糖尿病の猫ちゃんが、継続治療を希望と言うことでやって来ました。
血糖値のコントロールが大変なうえ、引越しで今まで通っていた動物病院に通いきれなくなってしまったそうです。
目元が綺麗で、可愛い仔です。
ただ糖尿病用のフードが好きじゃ無いとのことで、痩せ痩せ気味です。
糖尿病の治療は、1.フード、2.運動、3.薬です。
だから糖尿病用のフードって、治療に於いては重要なんです!
しかし、全てに糖尿病用のフードを使うことが良いとはされていません!
糖尿病で痩せている場合
糖尿病で痩せていても、糖尿病用のフードを使えば血糖値は下がりやすくなります。
そのため痩せている場合でも、糖尿病用のフードを使ってしまうことがあります。
ちなみ糖尿病で痩せる理由の一つには、フードで摂ったブドウ糖をエネルギーとして上手く使えずカラダの脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として使用してしまうからとされています。
糖尿病の治療には、カロリー制限って事で痩せてても気にしない飼い主さんもいらっしゃいます。
痩せてるのに糖尿病用のフードを使いカロリーを制限していると、体重がさらに落ちるだけでなく免疫力などまでもが落ちてしまいます。
そのため糖尿病で痩せてる場合には、基本的には食事療法は行いません。
そもそも糖尿病の治療で、糖尿病用のフードが大切と言われカロリー制限を行う理由は何でしょう?
それは食べるカロリーを控える事で、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることが出来るからです。
だから糖尿病のコントロールには糖尿病用のフードが良いとされています。
しかし食べてる分量が、カラダに必要とされるカロリーに満たないと痩せてしまいます。
つまり糖尿病に罹った場合、痩せている場合と太っている場合では治療の考え方が違います。
このように糖尿病では、カロリー制限よりもフードの質が大切な場合もあります。
インスリンの働き
糖尿病の治療に、インスリンを使います。
実はこのインスリンは「太るために必要なホルモン」なのです。
インスリンは血糖値を下げるために、血液の中のブドウ糖を血管の外に出し細胞内へと取り込みませます。
そして取り込まれたブドウ糖は脂肪になり、カラダに蓄えられます。
つまりインスリンを使いいっぱ食べたると、太ることになります!
結構太っている場合には、糖尿病用のフードを使いますヨ!!
糖尿病と歯周病の関係
糖尿病の原因ってインスリンの問題なのですが、合併症やら色々あって奥が深い病気です。
そして糖尿病の合併症の中には、猫ちゃんに多い腎臓病や歯周病などもあります。
逆にまた歯周病を治療することにより、糖尿病が改善する事があります。
歯周病は歯周病菌の感染による感染症で、この菌は毒素を作り出すことがわかっています。
この毒素がカラダの中に入ると、カラダを守ろうとして免疫力を上げようとします。
その際に、インスリンの作用を邪魔す物質を作り出してしまうと言うのです。
そのため血糖血が下がりづらい状態になり、血糖値のコントロールが難しくなってしまいます。
つまり糖尿病での血糖値のコントロールには、歯周病の治療が大切になります!
歯周病は、怖い病気ですよね!
そのためにも、歯科健診は重要になります!