若山動物病院ブログ
呼吸が変!
一昨日から肩で息をしているっぽい、そんな猫ちゃんの来院である。
痩せてもいないし、毛艶も良い。
しかも食べていたとも。
診察台の上で静か~に呼吸をしているが・・なるほど呼吸の仕方が悲痛じゃない!
様子からして胸の問題!
レントゲン検査をしてみると・・・
心臓や肺の周囲にある胸腔内に水が溜まっている、いわゆる胸水症です。
肺が圧迫されるため呼吸の状態が悪くなり、場合によっては呼吸困難を引き起こします。
この病状は猫にとり、とっても深刻な問題です。
胸腔にチューブを装着し、中に溜まった液体を除去です。
180mlもの液体が抜けたのですが、これだけ溜まっていると息苦しいですよね!
抜いた液体の成分や細菌、細胞などの検査を行い、原因究明が始まります。
胸水症の原因
胸水症の一般的な原因は、以下のようなものがあります。
- 心疾患: 心臓病や心不全による、血液の循環が悪化から
- 感染症: 肺炎や細菌感染、ウイルス感染などから
- 腫瘍: 肺や胸膜など胸腔内の腫瘍から
- 外傷: 交通事故や落下などによる外傷から
- 炎症: 胸膜炎などの炎症から
症状
胸水症の症状は溜まった液体の量や原因によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。
- 食欲不振と元気消失
- 呼吸の異常・呼吸困難: 息切れや浅い呼吸。
- 咳: 特に横になったときに見られることがあります。
- 体重減少: 長期的な問題がある場合に見られることがあります。
診断
胸水症の診断には、一般的には以下のような検査が行われます。
- 身体検査: 呼吸数や、呼吸音の異常などを確認します。
- X線検査: 胸部のレントゲン検査により、胸の状態の確認をします。
- 超音波検査: 胸腔内の液体の性状を調べるために行います。
- 胸水の分析: 採取した胸水の性状や、細胞の検査や培養を行います。
治療
胸水症の治療は原因によって異なりますが、一般的には以下のような治療を行います。
胸水の排出: 胸腔に溜まった液体を、針を刺したりドレナージして取り除きます。
薬物療法: 心疾患や感染症の場合には、それらの治療を行います。
手術: 腫瘍や外傷が原因の場合には、手術を行う事もあります。
まとめ
胸水症は、早期発見と適切な治療がカギとなる病気です。
早期に適切な治療が行われれば、回復する可能性が高まります。
ただ心臓病や悪性腫瘍が原因の場合には、予後は厳しいこともあります。
猫の健康を守るためには、定期的な健康診断と早期の対応が不可欠です。