若山動物病院ブログ
口が先か?肛門が先か?
我々ヒトを含め動物は、卵子と精子が融合した受精卵から生まれます。
その1個の受精卵が分裂しを繰り返しながら、様々な組織や臓器が作られていく。。。
しかもヒトの場合、1個の受精卵は出産までに約50~60回の細胞分裂しかしてないんです!
そのくらいの分裂回数で1個の受精卵に様々な変化が起こり、赤ちゃんが出来上がってしまうんです!
たった50~60回だけ??
それって、何か不思議?
古い昔のことですが、卵子や精子の中に小さな人の形をしたものが存在し、これが大きくなっていくと言う説もあったんですよ!
その頃は肝細胞なんてものもわからなかった時代ですし、発生の過程が不思議なものだったんでしょうね。
そのような過程で生まれてくる動物ですが、分類するにあたっては「背骨を持つ脊椎動物」と「背骨を持たない無脊椎動物」に分けることが一般的に多いと思うのです。
しかし分類学的には、発生の段階の違いで二つに分ける方法もあります。
それは「口が先にできた」のか、「肛門が先にできたのか」での分類です。
口が最初に作られ、その後に肛門が作られる動物
肛門が最初に作られ、その後に肛門が作られる動物
これって不思議ですよね、だって口と肛門が一緒に作られないと困る気がしませんか?
でもその時期はまだ食べることはしないので、どちらが先でもOKなんです!
口が先に作られる動物を「旧口動物」、
肛門が先に作られる動物を「新口動物」って言います。
ヒトや犬猫などの脊椎動物は、口と肛門とどちらが先にできると思いますか?
ええええっ?
そんなの、口から先じゃないの?
ところがドッコイ!
それが…肛門の方からなんですよ!
口が先に作られる「旧口動物」に分類されるのは、節足動物、環形動物、軟体動物、線形動物、輪形動物、扁形動物です。
肛門から先の「新口動物」に分類されるのは、脊椎動物、原索動物、棘皮動物なんです。
原索動物の代表格がホヤです。
ホヤは貝だと思われがちですが、貝でも魚でも無く脊椎動物に最も近い仲間とされています。
つまりホヤは私たちヒトにとても近い間柄で、共通祖先から進化してきたものと考えられている・・・んですって!
棘皮動物の代表的なものはウニ、ヒトデ、ナマコなどで、これまた脊椎動物に一番近い無脊椎動物なんです。
ヒトがホヤやヒトデと近い存在だってかい?
ってことは、俺ら猫もそうってこと?
それが事実でも、チョット信じらんない!
このように、まだまだ知られてないこといっぱいあります。
生命の神秘って言いますが、体も神秘ですよね!
動物界の多様性や進化の違いって、不思議の連続です。