若山動物病院ブログ
災害に備えて
1年前に能登の地震、復興する前に水害と、この日本は何かと災害の多い国です。
被災した場合にはヒトだけでなく、小さな家族の命を守るためにも必要な準備と対策を事前に立てておく必要があります。
そして、どのように行動したら良いのかをチェックしておくことが大切です。
実際に災害に遭遇すると、我々ヒトだけでなく小さな家族もパニックになってしまいます。
そして、思いもよらぬ行動を取ってしまいます。
チョット前にあった地震の時に、カラス戸を破り外に走り出た猫ちゃんがいました。
その話を聞いた時には、もう驚き!
そう言えば、当院の風除室のドアに体当たりしてガラスを割った方がいらっしゃったことを思い出しました。
まぁヒトでも慌てちゃうんですからね、ワンちゃん猫ちゃんもビックリしちゃいますよね!
災害時には、まず一番に飼い主さん自身の安全を確保します。
そして犬にはリードをつけ、猫はケージやキャリーバッグに入れます。
次に災害情報を確認し避難の準備を始め、安全確認ができたなら同行避難します。
避難の際に犬を歩かせる場合には、ガラスなど足を傷つけるものに注意します。
キャリーバッグに入れて移動する場合には、キャリーバックの戸が開かないようにガムテープなどで固定しておきます。
また猫は心が落ち着くように、キャリーバッグを布などで包んで下さい。
迷子になった際に困らないように、マイクロチップを装着しておくことも大切です。
避難所での共同生活に備え、基本的な躾として幾つかの注意点があります。
- キャリーバックやケージに慣らしておく
- 無駄吠えをさせないこと
- 不妊・去勢手術や定期的な予防接種と健康診断を受けておく
- 避難所の飼育環境を事前に確認しておく
避難した方全員が、同行避難に理解があるわけではありません。
そのため過去には、避難所に同行した犬猫への苦情が多数寄せられた事があります。
もし同行避難がOKであっても、他の方への配慮は忘れてはなりません。
犬は「無駄吠えさせない、待て・おいで」などの躾が出来てると避難所での生活が楽になります。
またウンチ・オシッコや抜け毛などの衛生面にも、気をつける必要があります。
災害時に家族の命を守るためには、飼い主さんの自助が欠かせません。
避難所に入ると犬猫で多いのが「食欲が無くなる、下痢や吐き気などの消化器障害」と言われています。
また状況的な部分からメンタル的な不調も見られます。
災害時には、同行避難以外に「在宅避難」という選択肢もあります。
在宅避難とは必要に応じて救援物資や災害情報を防災拠点で受け取りながら、自宅で避難生活をする事です。
もし自宅でも安全であれば、安心して過ごすことができます。
在宅避難を行うには、事前に家具や備品などが転倒・落下しないように、また窓ガラスが割れないようになどの対策が必要です。
しかし二次災害の危険が考えられる場合には、なるべく早めに同行避難を考えることが重要です!