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若山動物病院ブログ

脾臓

こんにちは。
千葉県佐倉市『若山動物病院』の松田です。

実は本日病院の看板犬の「ロイスちゃん」が手術をしました。どんな手術を行ったかというと脾臓摘出です。

ロイス
朝のロイスちゃん


先日秋の健康診断を行ったところエコー検査で脾臓にできものがあるのがみられました。それで今回の手術を行うことになりました。そこで今回は、脾臓という臓器の役割についてお話ししたいと思います。
脾臓をとってしまっても大丈夫なのかと思う方もいらっしゃると思いますが、そこについても少し触れたいと思います。

ロイス
手術頑張ったね

犬の脾臓は、免疫機能や血液の貯蔵・調整に関わる臓器です。脾臓は腹腔の左側にあり、通常は細長い形をしています。

免疫機能

• 脾臓は、体内に入ってきた病原体や異物を識別し、免疫応答を活性化する役割があります。白血球が集まっており、血液中の異物を排除したり、抗体を作って感染症に対抗したりします。

古くなった赤血球の破壊と再利用

• 脾臓は寿命が尽きた赤血球を破壊し、ヘモグロビンなどの成分を再利用します。これにより、体が必要とする鉄分などの物質を再循環させることができます。

血液の貯蔵と供給調整

• 犬の脾臓は、血液を一時的に貯蔵しておき、必要に応じて供給することができます。たとえば、運動時や出血した場合などに血液を放出し、酸素の供給を補助します。

血小板の貯蔵

• 脾臓は血小板も一部貯蔵しており、出血を止めるために必要な際には血液中に放出します。

脾臓の様々な役割をお話ししてきましたが、脾臓を摘出しても他の臓器が代わりにその役割を補完してくれます。例えば脾臓が担う免疫機能の一部は、リンパ節や肝臓など他の免疫組織が代わりにサポートします。また、脾臓は古くなった赤血球の処理や血液の貯蔵を行いますが、赤血球の処理に関しては肝臓が補います。

ただし、脾臓がなくなることで完全に同じ機能を維持できるわけではなく、少し感染症のリスクが上がるため、手術後は特に健康管理や感染予防が大切です。

脾臓は他の臓器に比べて損傷を受けやすく、腫瘍などが発生することもあるため、健康診断を行うことで早期に問題を発見することが大切です。

それではまた。