若山動物病院ブログ
破折
こんにちは。千葉県佐倉市『若山動物病院』の松田です。
本日は破折をしてしまったワンちゃんのオペをしました。今回の子は硬いおやつを食べたことによって破折をしてしまったということでした。そこで今回は破折についてお話ししたいと思います。
犬の破折(はせつ)とは、歯が割れたり欠けたりすることを指します。歯の一部が欠損した状態で、特に歯冠部分(歯の表面)や歯の内部の神経(歯髄)が影響を受けることがあります。破折は犬の歯の中でも特に犬歯(前歯の尖った部分)や臼歯(奥歯)でよく見られます。
原因
硬いものを噛む
硬いおもちゃ、骨、石などを噛むことで歯が割れたり折れたりします。
事故や衝撃
高いところから落ちる、物にぶつかるなどで歯に強い力が加わる場合があります。
歯の疾患
歯周病等の歯の疾患によって歯が脆くなり、簡単に折れることがあります。
主な症状
目に見える損傷
歯の先端が欠けている、または完全に折れている。
痛みや違和感
食べ物を噛むのを嫌がる、片側でしか食べないなどの行動をします。
歯髄の露出
折れた歯の中心にある歯髄(神経)が見えることがあります。この場合、強い痛みを伴うことがあります。
感染の兆候
折れた部分から細菌が入り込み、膿や腫れ、発熱が起こることもあります。
治療法
歯髄治療(根管治療)
歯髄が露出している場合、感染を防ぐために神経を取り除き、歯を補強する治療が行われます。
抜歯
歯の損傷がひどい場合や感染が進行している場合、抜歯が必要になることがあります。
抗生物質の投与
感染を防ぐため、または治療後のケアとして抗生物質が処方されることがあります。
予防策
適切なおもちゃを選ぶ
柔らかい素材で作られた噛むおもちゃを選び、硬すぎるものは避けましょう。
定期的な歯のチェック
動物病院での定期検診で歯や口腔の健康を確認しましょう。
歯磨き習慣
歯周病を防ぐために、犬用歯ブラシを使ってケアをしましょう。
破折は放置すると痛みや感染症につながるため、早期発見・早期治療が重要です。犬が突然食べにくそうにしたり、歯が欠けているのを見つけた場合は、動物病院にご相談ください。
それではまた。