若山動物病院ブログ
歯並び
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
今日は最低気温がマイナス1℃で冬日となり、朝から寒い1日でした。
寒暖差の激しい日は下痢や嘔吐などの消化器症状が出やすい時でもあるので、体を冷やさないように腹巻きや足湯などをして対策をしましょう。
今日のお昼は6歳のワンちゃんの歯科処置がありました。
麻酔をかけて口の中を細かく確認してみると奥歯に少し歯石がついている程度で歯肉の炎症もほとんどなく、大きな問題はないように見えます。
しかしちゃんと歯を見てみると、普通とは違う状態になっている場所があります。
それが青矢印で示している歯。
正常な歯と比べてみると、歯の向きがおかしなことになっているのがわかります。
これは『不正咬合(ふせいこうごう)』と呼ばれ、歯が本来あるべき正しい位置や向きについておらず、噛み合わせが悪くなってしまう病気です。
不正咬合にはいくつか種類があります。
- オーバーバイト:下顎に対して上顎が長く、出っ歯のような状態
- アンダーバイト:上顎に対して下顎が長く、受け口のような状態
- クロスバイト:上顎・下顎とも正常な位置だが、一部の歯並びが悪い状態
- レベルバイト:上顎・下顎の切歯が接触している状態
- ライバイト:左右の顎の骨の長さが非対称で歪みが生じている状態
歯並びが悪くなってしまう原因は多くあります。
- 残存乳歯:歯の生え替わりの時に乳歯が抜け落ちずにそのまま残ってしまっている状態
- 萌出異常:萌出時の歯の向きや場所に問題があり永久歯が正しい位置に萌えていない状態
- 歯周病
- 欠歯
- 挺出
- 転位
- 外傷
- 口腔内腫瘍
- 遺伝的要因
不正咬合になっていると自分の歯で口腔内を傷つけてしまい、そこから細菌やウイルス感染を引き起こして口内炎になってしまったり歯周病になってしまったりすることも多くあります。
口内炎も歯周病も口臭や口の痛み、出血、歯のぐらつきといった症状が出るようになり、いずれ物が食べられなくなってしまう可哀想な病気です。
そうならないためには日頃からデンタルケアをおこない、定期的に歯科検診を受けて病気の早期発見・早期治療を目指しましょう。
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