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若山動物病院ブログ

慢性腎炎で貧血に

慢性腎炎で貧血に

前から動きが悪く、数日前から元気も食欲も無くなってしまった猫ちゃんの来院です。
診ると口の中が白っぽく見える・・・

あら〜貧血?
そこで採血し、血液を調べてみると・・・
腎臓の機能が落ちてしまってるし、貧血にもなってしまっています!

猫が慢性腎臓病になると腎臓の働きが悪くなり、いくつかの理由で貧血が起こります。
貧血とは、血液中の赤血球が不足して体に十分な酸素が運べなくなる状態です。

目次

貧血が起こる理由

じゃぁ〜なぜ、腎臓が悪くなったら貧血のなってしまうかの説明です!

腎臓が「血を作る指示」を出せなくなる

腎臓には「エリスロポエチン」という、ホルモンを作る役割があります。
このホルモンは、骨の中にある「骨髄」に赤血球を作らせるように指示を出します。
慢性腎炎になると腎臓の機能が低下してしまうため、このホルモンが十分に作られなくなります。
そのため新しい赤血球を作る力が弱くなり、結果的に貧血が起こりますが、作られる赤血球は大きさや色は正常んなんです!

赤血球の寿命が短く壊れるのが早い

腎臓が悪くなると、体の中に老廃物や毒素がたまりやすくなります。
この毒素が赤血球を傷つけて壊してしまいます。
その結果、赤血球の数が減り貧血が進みます。

赤血球の寿命が短くなる

慢性腎炎では、体内に炎症や毒素(尿毒素)が蓄積しやすくなります。
この毒素が赤血球を傷つけ、寿命を短くします。
赤血球が早く壊されるため、体内の赤血球量が減少します。

鉄や栄養が不足する

赤血球を作るためには「鉄」や「葉酸」「ビタミンB12」などの栄養素が必要になります。
しかし腎臓病になると食欲が落ちたり、栄養を吸収しにくくなります。
その結果、必要な栄養が足りなくなり赤血球を作る力がさらに弱まります。

出血しやすくなる

腎臓病になると血液を固める力が弱くなり、腸や胃など体のどこかで出血が起こりやすくなります。
これも血液の量を減らし、貧血を悪化させる原因になります。

貧血にはどうするか?

  • 赤血球を増やすため、腎臓で作れなくなったホルモンであるエリスロポエチンを補う治療を行います。
  • 必要に応じて鉄剤や葉酸、ビタミンを補給します。
  • 腎臓の負担を減らすため、特別な腎臓用のフードや薬で腎臓病を悪化させないようにします。

まとめ

腎臓は血液を作るという、とても大切な指示を出すという役割を持っています。
しかし慢性腎炎になるとこの指示がうまく出せなくなり、血液が作れなくなります。
その結果、猫は貧血になりカラダがだるく元気がなくなったりします。
貧血を起こす前の段階で腎臓病を見つけ出すことにより、生活の質を落とすことなく暮らすことができます。