若山動物病院ブログ
猫に植物性タンパク質?
タンパク質には、動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。
そして「植物性タンパク質は動物性タンパク質よりも健康に良い!」とも言われることがありますよね?
それって猫にも言えることなんでしょうか?
野菜だけで作った猫用のフードも販売されてますし・・・どうなんでしょうね?
猫は完全な肉食動物で、栄養学的には動物性タンパク質に依存しています。
そのような猫のフードを、動物性タンパク質から植物性タンパク質に代えたらどうなるでしょうか?
猫に植物性タンパク質を与えた場合を、栄養学的な観点から考えてみました。
猫のカラダに必要な栄養の違い
俺らのカラダに対する、動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いだよ!
動物性タンパク質
動物性タンパク質には、猫のカラダが必要とする「必須アミノ酸」がすべて含まれています。
特に「タウリン」という眼の健康や心臓を守るのには、絶対に欠かせない成分が豊富に含まれています。
ビタミンAやアラキドン酸なども含まれ、動物性タンパク質を食べることにより猫の健康維持に必要な栄養素が自然に摂ることができます。
植物性タンパク質
タウリンやアラキドン酸など、猫にとり必要な一部の必須アミノ酸が含まれていないため栄養が不足します。
猫は植物に含まれるビタミンAを自分で「使える形」に変えられないため、植物だけの食事では不足します。
消化と体への吸収
動物性タンパク質と植物性タンパク質のカラダに対する違いだよ!
動物性タンパク質
猫は動物性タンパク質を効率よく、栄養として取り入れるように進化しました。
動物性タンパク質は消化もしやすく、体に負担がかかりにくい栄養素です。
植物性タンパク質
猫の胃腸は、植物を効率的に分解するようにはできていません。
食物繊維や植物特有の成分が邪魔をして、栄養の吸収がうまくいかないことがあります。
健康への影響
動物性タンパク質を食べた時と、植物性タンパク質を食べた時にどうなるかだよ!
動物性タンパク質を食べた場合
猫の筋肉や免疫力がしっかり維持されます。
心臓や目の健康を保ち、活発に動くことができます。
毛並みもきれいに保たれやすいです。
植物性タンパク質を中心にした場合
長期間続けると、タウリン不足で「心臓病」や「視力の低下」を引き起こすことがあります。
必要な栄養が足りないため、元気がなくなったり、体重が減ることもあります。
結論
猫は完全な肉食のため、本来の食性に合った食べ物である肉や魚など動物性タンパク質を食べる動物として進化しました。
そのため、植物は補助的なものとして少量摂取する程度で十分です。
動物性タンパク質は、猫が必要とする栄養を十分に含んでおり、猫にとって自然で健康的な食事の基本です。
植物性タンパク質だけでは猫の健康を維持するのに不十分であり、栄養不足や病気を引き起こすリスクがあります。