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若山動物病院ブログ

懐かしき使い方

ウンチ検査が必要と言うことで、ウンチをお持ちになったのですが・・・
お渡しした容器がチョット使い難いって事で、自前の容器に入れてお持ちになりました。

その容器があまりにも懐かしいと言うか、綺麗と言うか・・・
ジーッと見つめちゃいました。

そうなんですよ、小学校の頃はマッチ箱にウンチを入れて学校に持っていくのが普通だったんです。
日本で学校などの検便にマッチ箱が利用されていたのは、主に昭和中期(1950~1970年代頃)とされています。

今考えれば・・・・
マッチ箱が使用されていた背景には、当時の社会的・技術的な状況や利便性、またコストの問題があったんでしょうね。

昭和の時代には、マッチ箱は日常生活の中で一般的に使われていました。
台所のガスコンロや石油ストーブ、お風呂に火をつけるのもマッチでした。
そのためマッチの無い家庭に無かったし、簡単に準備できるものでもありました。

家にあるものを使うだけで、しかも特別な準備も必要無し!
そのため学校が「検便容器」にマッチ箱を指定しても、全く問題が無かったと言えます。
しかも空になったマッチ箱は使い捨てでしたし、コスト的にも問題もありません。

マッチ箱の大きさは手のひらサイズで、必要量のウンチを入れるにも問題のない大きさでした。
しかも容器としても軽く、子供たちが持つにも扱いやすかった事でしょう。

マッチ箱はスライド式の構造であるためウンチを簡単に入れられました。
もしマッチ箱が潰れたらウンチは箱の外、しかし割としっかりした構造でもあったため、ある程度安全に持ち運ぶことができました。

しかし当時は衛生管理意識も低く、マッチ箱でウンチを持ち運ぶことへの抵抗感は無かった・・・
それが「当たり前」とされていた時代だったんです。
だから家庭でも学校でも、マッチ箱が慣習化していたんですよね!
慣れって怖いですよね!!

思うにマッチ箱による検便は・・・
当時の日本社会が抱える「寄生虫対策での必要性」「低コストの教育・医療施策」「身近な道具の活用」という、現実的な課題に対応した結果の産物だったんです!
時代背景や社会の変化を振り返る興味深い事例です。

当たり前になり慣れてしまう!
なんか、それって怖いですよね!